大谷翔平は大丈夫?一流スポーツ選手も恐れる、肘の再建手術

大谷翔平-メジャーリーグ公式サイト キャプチャ

画像はメジャーリーグ公式サイトより

障害が残る最悪の事態は免れたものの…

大谷の復帰は前途多難だ

10月1日(日本時間2日)、メジャーリーグのロサンゼルス・エンゼルスは、大谷翔平が受けた右肘内側靱帯の再建手術(通称トミー・ジョン手術)が成功したと発表した。これを聞いて、ほっと胸をなでおろした野球ファンも多いのではないだろうか。なぜなら、この手術は大きなリスクを伴うものだったからだ。
トンガ出身で元ラグビー日本代表の真羽闘力は2013年、大谷同様に、負傷した肘の靱帯の再建手術を受けた。その手術は不幸にも失敗し、神経を傷つけられてしまったという。
指が動かなくなってしまい、日常生活に支障をきたすほどの障害が残った真羽は、選手を引退。病院を相手取る訴訟を起こし、6000万円の和解金は支払われたものの、アスリートとしての未来が奪われてしまった代償としては、それでも不充分だといえるだろう。
一方、手術を成功させた大谷だが、まだ不安は払拭されていない。かつてテキサス・レンジャーズの投手だった、大塚晶文の例があるからだ。
2007年に肘を痛めて検査したところ、靱帯の部分断裂が見つかり、翌年に再建手術を受けた大塚。手術は無事に終わったはずだったが、投球練習を再開してみると、またも肘に痛みが出てしまったという。
その後もリハビリに精を出していたものの、復帰は一向に叶わず、2010年には再び手術を受けるはめに。しかし、これでも肘が改善しなかった大塚は、もう一度アメリカのマウンドに立つことのないまま、引退することになってしまったのだ。術後の状態がどうなるかは、フタを開けてみないとわからない面があるといえよう。
話を大谷に戻すと、来年は打者に専念するというのであれば、肘を酷使することはないように思われるかもしれない。ただ、打者としてのトレーニングや試合出場を続けながらのリハビリには、いくら大谷レベルの天才でも困難がつきまとうだろう。打者・大谷としてのプレーが、術後の回復に悪影響を及ぼす可能性だって否定できないはずだ。
もちろん、投手として肘の靱帯の再建手術を受け、復活を果たした選手も少なくない。しかし松坂大輔のように、術後に全盛期のパフォーマンスを取り戻すことができず、成績を著しく落とした例もある。メジャー移籍してからの4年間で、通算46勝を上げる大活躍を見せていた彼も、手術後に1年のリハビリ期間を経て復帰したあとは、3年間でわずか7勝しか記録できなかったのだ。
再来年には、投手としてのカムバックが期待される大谷。今季の序盤には、メジャーリーグの中でもトップクラスの投手に上り詰めていきそうな、大物の片鱗を感じさせるピッチングを披露していた。そんな彼の右肘が、痛みもなく思い通りに動くようになることを、今はただ祈るしかない。

Leave a Reply

Your email address will not be published.