【瓜田純士】事件報道で乱発される「半グレ」への違和感

そんな彼等の主なシノギと言えば、特殊詐欺だったり、組織的な知能犯罪だ。先ほど触れた、渋谷路上強盗のような、短絡的で、野蛮な犯行じゃない。まぁ昔は頻繁に起こってたけどね、野蛮な手口も。
闇金融が一大センセーショナルだった頃は、そこらじゅうで強盗や襲撃が相次いでいた。
その後、闇金業者は振り込み詐欺に変貌し、”タタキ”もアジト(箱)を直接襲うやり方に変わっていったとどこかで聞いたことがある。オヤジ狩りってのはさらに少し前だ。今回の渋谷路上強盗の被害に遭われた会社経営の方には、高級時計に大金を注ぐ前に、自身の警護だったり民間ボディーガードをつけとけよ、と思うね。
金あるんだろ? 何千万の腕時計だってさ。笑っちゃうよ。
俺はこないだ嫁からプレゼントされたCASIOの安い奴を大事につけてて満足だけどね。何千万の腕時計つけてブラジル辺りを歩いたら、「秒速」で弾かれちゃうよ。
話を戻すけど、昔から内装、鳶、解体工なんかのガテン系の荒くれは結構な頻度で全国各地で短絡的な事件を起こしてたんだよ。加えて最近じゃあ外国人労働者。今回の渋谷路上強盗の主犯なんかもガテン系だって聞いてるよ。流石に”肉体労働者”までもが「半グレ」はちがうだろ? と。これじゃあ外国人労働者も何か事件を起こしたら「半グレ」と言うことになってしまう。
猫も杓子もってことじゃあなくて、報道する連中も、少しでも大きく大きく扱われるように脚色するんだろうけど、半グレじゃないのなら、単に「無職」とか、「会社員」で十分だ。俺なんかは、知人がニュースに出るのかと思ってくまなく見てしまう。するとまったく知らない奴が現れたりするから困惑するよ。
伝える方はもっと調べて正確にやってもらいたい。この手の話題になると100発100中で的外れなことをコメントするどこかの「不良に詳しい文化人ライター」が、遥か昔の暴走族の結成まで遡って、時系列ごと間違えながら「半グレ」とは云々……とか騙る前にここに書いておくよ。
安全は金で買えるっつうけど、俺の通ってる総合格闘技のジムには、オヤジ狩りに遭った時の対策で、格闘技に精を出してる人もいる。立派だよ。盗賊に絡まれても返り討ちにするぐらいの気概で心身強くいたいと常日頃心がけています。(瓜田純士)

Leave a Reply

Your email address will not be published.