【瓜田純士】事件報道で乱発される「半グレ」への違和感

【瓜田純士】 事件報道で乱発される 「半グレ」という言葉への違和感

瓜田純士
うりた・じゅんし。1979年、新宿歌舞伎町に生まれる。少年期を不良として過ごし、10代を暴力団に捧げて、獄中に。懲役で物書きに目覚める。著書に『ドブネズミのバラード』等多数。『遺書〜関東連合崩壊の真実とある兄弟の絆〜』がベストセラーとなる。地下格闘技やTHE OUTSIDERにはアウトローのカリスマとして参戦していた

何が「半グレ」なのか

強盗、暴行、特殊詐欺と、不良紛いの(ヤクザではない)若者が何か事件を起こすたびに「半グレ」というワードを目にする。
大阪の不良グループ然り、女優三田佳子の次男、高橋裕也にシャブを手配していた男までもが「半グレ」とされていたのを何かで見たけど、絶対無関係だよ、あんな野郎。
大阪の不良グループはまだわかる。以前の記事にも書いたけど、アマチュア格闘技「強者」のメンバーは大阪界隈では半グレと呼ばれていたからね、実際。
こんな事件もある。
今年一月に、会社経営者の男性が渋谷の路上で何者かに鉄パイプで襲撃されて、車に監禁された後に、男性の自宅から現金云千万と、高級腕時計、オーデマ・ピゲ(五千万相当)が持ち出されたという事件だ。地下格闘技界隈の奴が起こした事件だ。俺がたまたま目にしたニュースでは、この地下格闘技の選手までもが、「半グレ」とされていた。
さすがに、この辺の連中まで「半グレ」と呼ぶのは無理があるんじゃないか。
大阪の不良グループや「半グレ」の定義は知らないが、東京ではヤクザを除いた不良グループは「関東連合」に「怒羅権」、「八王子打越スペクター」に「太田連合」(全日本狂走連盟OB)等が準暴力団に指定されている。
この、準暴力団に指定されてる者たちを「半グレ」と指しているんだと認識していた。
関東連合がメディアで騒がれていた頃に、ノンフィクション作家の溝口敦氏が”ヤクザに籍を置かずに、ヤクザまがいのシノギまで展開する地下に暗躍する非行グループである”と、名付けたと言われていたりするけど、俺がヤクザやっていた今から二十年も前から、組織にゲソを入れない半端者のことをよく「半グレ」と仲間たちと呼んでたよ。ダセェな半突っ張りがってさ。
まぁ別に、溝口敦氏の説か、昔からある節か、なんかどうだって良くて、東京では一応、皆に恐れられ、夜の街では知らない者なんていない不良の中でもヤバい連中が「半グレ」と括られていたりする。

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