【瓜田純士】そろそろ刺青の「本当の価値」について考えてみよう

俺なんか堅気になった時に、入れ墨や胸に彫った代紋なんかどうしようか本当に悩んだもんだよ。上から潰したけど、やっぱり、一抜けた野郎が入れ墨出して歩くのは印象悪いからね。ファッションで入れる若者や芸能人なんかのことは知らないけど、やっぱりいきなりファッションなんだ、受け入れてくれ! なんていかない俺なんかの場合、何事も半端は良くないから顔まではいってる。今更誰にも言われないけど、やっぱり温泉とかで注意されたことはある。
まぁ、ダメとわかっていて温泉なんかに行くこと自体がおかしいんだけどさ。後、名古屋の遊園地「レゴランド」でも入り口で注意されたことがある。
さっきも言ったけど、日本人は不真面目に生きたり、はみ出していたりするものを徹底的に嫌うんだよ。大学出て、サラリーマンになって、さげたくない頭をさげて、やりたくない仕事をして慎ましく生きることや、真面目一貫の職人や、謙虚なスポーツ選手なんかが美徳であって、不良なんかは論外なんだよ。
なんであいつらは好きに自由に生きやがってって。実は俺もアルバイト探してる時期があって、やっぱりどこに面接に行っても断られたりしたよ。大丈夫なところもあったけど、入ってみたら急に仕事が一向になくて。
「仕事が入ったら連絡します」なんつって、待てど暮らせど連絡なんか来やしない。さすがにその時は顔の刺青を後悔して、悔やんだりもしたけど、今はどうってことないよ。はっきり言って、タトゥーや入れ墨を、「厳しすぎる」「プールに入りたい」「そんな目で見るな、差別だ」「ただのファッションだ」と主張する奴等ばかりだけど、本当にただのファッションで、近所のガキからおばちゃんまで簡単に彫ったり、どんな店でも入れるようになるのは俺は御免だね。
せっかく、痛い思いと時間と金を掛けた行為は価値のあるものと思っているから。
簡単にはできなくて、人からは「あいつは入れ墨なんか入れて」と避けられたり一目置かれる「希少価値」に魅力があるのに、誰もかれもが無反応になってしまったら、本当にただのファッションになってしまう。「入れない場所や店がある」ことは価値なんだよ。すくなくとも俺の場合はね。

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