【炎上その後】『新潮45』休刊で新潮社のタブーが暴露される?
元執筆人がライバル誌にタレコミも
LGBT(性的少数者)に対する過激な記事掲載で強い批判を受けて9月に休刊となったことで、月刊誌「新潮45」の有力ライターたちは大きな定期仕事を失った形だ。その2カ月後には早くも「これを機に廃業を考えるようになった」と話すライターもいるのだが、発行元の新潮社内部でも賛否の分かれる大騒動になった話だからか、中にはペンネームで書いていたライターの本名を暴露する関係者もいる。
「実は新潮社が出す週刊新潮の宿敵、週刊文春の関係者が、新潮45の常連ライターだったんですよ。その関係者はいまも文春と近いですが、名前を隠して新潮社でも仕事をしていたらしい。社内情報を互いに指摘し合って対立していた両社ですから、この記者から内部情報のリークもあったのではないかと、そんな疑いが業界内で広まっているのは事実」
新潮45は82年創刊、コラムやエッセイを軸にしたオピニオン誌だ。
過去、少年法に反して未成年犯罪者の実名と写真を掲載するなど、強い反発覚悟の言論活動の場としていたが、7月発売号で、自民党の杉田水脈衆議院議員による「(LGBTは)子供を作らない、つまり『生産性』がない」との寄稿が議論を巻き起こした後、さらに9月にも「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」と題した、杉田批判への反論を特集。その中で評論家の小川榮太郎氏が、LGBTを痴漢犯罪と並べて、「(痴漢にも)触る権利を社会は保障すべきでないのか」と極端な主張を展開したことで、販売自粛を発表する書店や、寄稿を中止する作家が続出した。結果、社内からも猛反発が起こる異様な事態となり、休刊となった。
「ここ数年、部数低迷に直面し、試行錯誤の過程において編集上の無理が生じ、企画の厳密な吟味や十分な原稿チェックがおろそかになっていたことは否めません」
編集部から出された休刊コメントは、言わば「貧すれば鈍する」を自ら認めたようなものだったが、かつて同誌で執筆していたノンフィクションライターも「以前より安くなった原稿料で執筆陣のレベルも落ちた。昔の新潮45だったら文春関係者にペンネーム仕事なんて許さなかったはずだ」と話す。
「小川の反論もひどかったけど、まだ実名で堂々とやっているだけマシ。オピニオン誌のくせに実名を出さないで無責任な小遣い稼ぎやっているような姑息な奴はそれ自体が問題。休刊は雑誌が劣化したから起こったことだ」
部数減に苦しみながらも継続させている同種のオピニオン誌はまだ他にも存在しており、実は新潮45の元ライターたちがそうしたところに続々「仕事ください」と営業に来ているという話も多々ある。
「手土産に新潮社の内幕を書こうかという露骨な恩知らずライターもいてビックリ」と月刊誌編集者。出版界の苦境で記者の掟破りも続出か。(藤堂香貴)
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