知られざる世界の恐怖系都市伝説5選

【魔女の契約(スコットランド)】

中世のスコットランドで、とある村の人々が近隣の森を切り拓こうとしたところ、その森に古くから棲んでいるという魔女に「木を切り倒せば呪いをかける」と脅された。交渉の末、村人たちは森の一角のみを切り開くことを許され、その代償として毎年の収穫物をひと袋、魔女に献上するという契約が結ばれた。

村人たちは代々この契約を守り続け、数世紀の間は平穏な時が続いた。しかし、ある世代の村人たちがこの契約を破り、穀物の製粉所を作るために森のほとんどを切り拓いてしまう。激怒した魔女は村人たちに「呪いをかける」と宣告するも、開き直った村人たちに拉致され、殺されてしまう。木に吊るされた魔女は「今後は収穫物を3袋献上しろ」と言い残して息絶えたという。

 

ほとんどの村人はこの遺言を無視したが、製粉所の所有者であった男は魔女を恐れ、収穫物を律儀に供え続けた。その結果、男の畑は毎年のように豊作が続いたばかりか、3人の子宝にも恵まれた。子供は全員女の子で、それぞれが村で評判になるほど美しく成長したという。

ところが、男はそれからというものの慢心し、献上する収穫物の数をひとつ減らしてしまった。すると、その翌日から末娘が行方不明となった。村人が総出で捜索にあたっていると、製粉所からこの世のものとは思えない悲鳴が響き渡り、中から血が小川のように流れ出てきた。村人たちが製粉所に踏み入ると、石臼に挽き潰された末娘の死体が発見されたのであった。

 

時は流れ1960年代、製粉所は廃墟になりながらもまだ同地に残っており、魔女の伝説も地元で語り継がれていた。そこへ、ある少年が呪いの真偽を確かめるため、製粉所の廃墟に一晩泊まり込むことにした。翌朝、彼の友人たちが様子を見に来たところ、製粉所の前で倒れ込んでいる少年を発見。少年は両足を骨折しており、聞くところによると「製粉所内に残されていた穀物袋に襲われ、逃げるために屋根から飛び降りた」のだという…

(ゼロ次郎)

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