【独占】元アビス専属プッシャー ラッパー 俺はこうして半グレとなった

刑務所でラッパーになった

逮捕されたのはそんな頃だった。忙しい時期が続き、自分もネタ食っていてカリカリしていた。そんな時に友達の誕生日会パーティに誘われクラブへ行った。俺はめちゃめちゃ悪ノリでイラついていて、喧嘩になってしまった。相手のクラブ関係者をシャンパンボトルでパコーンと殴ってしまったんだ。仲間も暴れて店はグチャグチャ。警察を呼ぶと言われ、俺たちは店に閉じ込められた。
「このままポリにパクられたらネタもってるし、体にも入っている。1回コカインで捕まっているからやべえな」
と思った俺はこの場から逃走することにした。店は3階だったがトイレの窓を開けたら、なんとかつたって逃げれそうな水道管が見えた。それを掴んでスーッと降りた時にバキッと水道管が折れて、3階のたかさからジャンプした。
そのまま地面に着地。その時はキマっていてアドレナリンが出ているからなんともないが、足は骨折していた。血塗れでタクシーに飛び乗ると「兄ちゃん大丈夫か!」と運ちゃんが軽いパニックになり、事故を起こしてしまった。結局警察を呼ぶというので、「おっちゃん行くわ!」と小銭を渡しタクを出て走って逃げたが、器準備集合罪と詐欺でフダが周り、8ヶ月くらい逃走した後に逮捕された。
そして刑期2年半、川越少年刑務所へ行くことになった。
アビスはというと内部分裂が進み、派手にやりすぎたために、梅田の店にガサが入ったり様々な他グループから目をつけられ襲撃されたりと、そんな状態だった。

その川越で俺はラッパーとなった。関東圏では1番大きい少年刑務所なんやけど、関東の奴ばっかやから「なんなのあの関西人」「調子乗ってるな」などと言われることも多かった。我慢できないから掴み合いになり懲罰房を行ったり来たりしてストレス溜まりまくりやった。
しかしそんな刑務所で色々終わってる奴らを見て「俺、このままやったらあかん」と思い始めて、こんなんなりたくないわとマジで思った。そんな時、同じ工場にラッパーが入ってきて意気投合し、そいつにリリックの書き方や色々ラップのことを教えてもらった。2人でフリースタイルをやったりしていると「出たら真剣に音楽やった方がいいよ」と言われて、じゃあやってみるかと決意して俺はリリックを書きまくった。

〈夢に生きた分やってきた人には言えない事 その分見てきた普通じゃ見れないもの 今まで何人を中毒にして売り飛ばした?〉(Do-it・PAYSより)

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