各テレビ局によって、年齢層の差や呼称の違いはあるが、総称として名が通っている『コア視聴率』。
なぜ、各スポンサーが一番気にするのだろうか。
「日本は超高齢化社会だし、実際にテレビを観ている人数もコア層から外れる60代以上の方が多いでしょう。でも多くのCMを出している大企業は、日本経済の成長も考えているのか、実際に社会を動かしている世代と、その子供の世代にターゲットを絞ってCMを打っている。ほとんど老人だらけの従来型視聴率をスポンサーに示したところで、何の意味もなくなってきたということ」(広告代理店関係者)
しかし、不思議なことに各テレビ局のロビーやエレベーターホールなどに貼ってある『祝!新番組○○、初回高視聴率○○%』などの張り紙は、よくよく見ると従来型の視聴率、つまり世帯視聴率の数字ばかりだが……。
「個人やコア視聴率は、公の数字というよりは、あくまでスポンサー向けの指標でしかないし、正確な数字が出るのが世帯視聴率より遅い場合も多い。現場の出演者やスタッフの士気を高めるための数字なら、極端な話、世帯だろうとコアだろうと、とにかく高いにこしたことはないので何でもOK」(同前)
結局のところ、テレビ自体の普及が止まった現在において、一番重要な “数字” は、世帯視聴率でもコア視聴率でもなく、TVerやABEMAの見逃し視聴回数なのかもしれない。 (狩野 玖太)
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