『また俺と喧嘩している週刊誌が馬鹿な事を書いている。「首」は俺の最後の映画ではない。今、他の映画の準備をしている真っ最中だ。「首」については、撮影当初からKADOKAWAに早く契約を結んでくれとお願いしていたんだけど、編集作業に入ってもまだ契約してくれないので、やむを得ず作業を止めた。何人かのスタッフも契約内容に納得がいかず、クランクアップまで契約をしていない人がいたらしい。俺の場合も同じで、今になっても契約できていない。金の問題ではなくて、KADOKAWAが提案してきた契約の内容があまりに一方的な内容だったので、こっちとしては、法律に従った公平な内容にしてくれとお願いしていただけで、無理な注文なんてしていない。契約してくれれば編集作業も再開するよ。あと、今度の映画にネットフリックスが関わるかもしれないということも、後から聞いたことで、それに関して金の要求なんて一切していない。 KADOKAWAは、「製作総指揮角川歴彦」というクレジットを載せろとも言ってきた。KADOKAWAの今までの映画を見ると全部そうなっていて、笑ってしまう。この週刊誌は嘘ばっかり書くので、これからはこちらで本当の話を伝えます』
このように、かなりの怒りの心情を抑えながらも、新潮サイドの矛盾点を総論破するあたり、さすが “巨匠たけし” といったところだが、実際のところはどうなのだろうか。
「たけしさんと新潮の揉め事までは知らないが、我々の業界的にやはり一番のこの騒動のカギと感じた部分は、製作総指揮のテロップの部分。たけしさんが日本を代表する映画監督であることは事実で、『首』でも当然ながら、配給や製作や俳優陣含めて一番上に立つ人物。それをさしおいてKADOKAWA会長がしゃしゃり出てくるのは本末転倒。今後、KADOKAWAは映画業界から総スカンをくらうのでは。ある意味、映画そのものをバカにしている愚行ともとれる」(ベテラン映画プロデューサー)
どうやら “勝負あった” というところだが、何より肝心なのは、その中身。
『首』が無事に公開されて、その出来を早く確認したいものだ。 (狩野玖太)
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