【ダマスカス鋼】
ダマスカス鋼は、古代インド発祥と言われている伝説的な鋼材で、その強靭さ、錆にくさ、そして表面に浮かぶ優美な模様が特徴。ダマスカス鋼で精製された刀剣の切れ味は抜群で「絹のネッカチーフが刃の上に落ちると、自らの重みで真っ二つになる」とまで言われていたほどである。
その製法は一子相伝とされ現代には伝わっておらず、ダマスカス鋼を再現しようとする試みの中でステンレスが開発されたといわれている。現在も、波紋状の模様をもつナイフなどが「ダマスカス鋼」として販売されているが、これは異なる金属を重ね合わせて溶接、鍛造したものであり、厳密にはダマスカス鋼とはいえない。
インド・デリー市郊外にある世界遺産「デリーの鉄柱」は1500年以上もの間、錆が内部まで進行していないことで知られており、ダマスカス鋼が使われていると信じられていた。しかし、近年の研究によると、インドで産出される鉄鉱石にはリンが多く含まれており、鉄柱を精製する過程で表面がリン酸化合物でコーティングされたことに起因すると考えられている。
【古代麻薬ネーペンテース】
ネーペンテースは古代ギリシアやエジプトなどで使われていたとされる秘薬で「痛みを忘れさせ、幸福をもたらす」効果を持つと伝わる。その原材料については謎に包まれたままで、学者たちの間ではアヘンのようなオピオイド系物質であると考えられている。古代ギリシアの長編叙事詩である「オデュッセイア」では、ゼウスの娘ヘレネーがこのネーペンテースをワインに混ぜてふるまうシーンが描かれている。
なお、現在「ネーペンテース」はウツボカズラの学名としても使われている。、
(ゼロ次郎)
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