日本一のコリアンタウンでしか味わえない極上メニュー
「他では味わえんやろ」
無冠の帝王、山根明が日本一のコリアンタウン、鶴橋に降臨した。この街の歴史については、実話ナックルズ12月号「男・山根の大阪ディープ散歩」に詳しくレポートしている。
今回は誌面ではお伝えすることができなかった、山根会長が激推しする鶴橋の名店を紹介したい。
◎1店目『珈琲館 ロックヴィラ』
待ち合わせの喫茶店へうかがうと、サングラスにハット姿の会長がお待ちになっていた。
「ようこそ。ここのキムチサンドは、他ではちょっと無い味ですよ。ぜひ食べてみてください」
キムチサンドとは、その名の通り、軽くトーストされた食パンの間にキムチをたっぷりと挟んだサンドイッチのこと。キムチの旨味がタマゴサラダと絶妙に絡み、なんとも爽やかな風味。
「ここは創業40年になる老舗喫茶店。私は定休日以外は、よくここでモーニングを食べてます」
常連の山根さんは、店を仕切るママさんと、その娘さんたちとも親密だ。「会長、今日の柿はおいしいですよ」とママさんがサービスでもってきたくれた柿は、身がじゅくじゅくに軟らかくなっている。
「おおきに! よかったら食べてみてください」
とありがたいお言葉にのって、ひとつ頂戴してみた。甘い! かつてこんな甘い完熟柿を食べた事があるだろうか。すでに鶴橋の奥深さを感じつつ、コーヒーを飲みほすと「ほなそろそろ次行きましょうか」と会長は立ち上がった。
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◎2店目『鶴橋オモニ・金杏奈の手作りキムチ』
「キムチでも食べましょうか」
といって会長が入っていったのは、若者たちに人気の手作りキムチ金杏奈さんのお店。店頭でキムチの販売をしているが、店内に飲食スペースもある。
「やっぱりね、取材といっても肩ひじ張ってたら、ええ話なんてお互いできません。お酒でも飲みながら、打ち解けてやりましょか」
という山根さんのご好意に甘え、マッコリをやかんで注文。カンベ(乾杯)を交わし、絶品韓国料理に舌鼓をうった。
白菜やカクテキなどスタンダードな物ももちろん美味いが、初体験だったのがトマトキムチ。一個丸ごとトマトを漬け込んだ女性に人気のキムチだ。甘酸っぱさと辛みがよく合う。
チヂミ、キンパ(のり巻き)、生エビをいただきながら酒を飲んでいると、鶴橋に観光に訪れた方々から「山根会長、写真お願いします」の声が次々とかかる。正直に言って強面な風体である。頼むほうも少し怖がりつつなのだが、「もちろんいいですよ」とおもむろに立ち上がり、拳をぎゅっと握りポーズをとる。およそ1時間半ほどの間に何人からも写真を頼まれ、その度に立ち上がりポーズをとる会長。
「いやあ、嬉しいんですよ。こうやって鶴橋まで九州や関東からわざわざやって来てくれてね。しかもみなさん、僕を応援してくれる。頼まれたら僕は写真は断りません!」
男・山根とおさまった写真は一生もののお宝だろう。
◎3店目『牛一 新館』
さて、鶴橋ツアーの締めくくりに訪れたのは「牛一」。大阪で10店舗を展開する焼肉の名門店である。
「あの一連の騒動のときにね、『会長だいじょうぶですか?』ってここのオーナーが連絡をくれたんですわ。うちの奥さんとは古くから知り合いやったんで、それもあって心配してくれたんやね。そこからこの店にはちょくちょくお邪魔させてもろうてます。裏切るやつもおれば、こういうふうに騒動を機に絆を結ぶことができた仲間もおる。人生っていろいろやな」
あの騒動は山根氏にとってまさに災難だったが、会見時に見せた男気あふれる対応・語り口のファンになった人は数多い。
黒毛和牛の神戸牛を一頭買いし、質のいい極上肉をリーズナブルに提供している。
代表の李さんにお話を聞いた。
「ここのお店は、一番最初に鶴橋で焼き肉屋をはじめたお店の跡地なんです。いま鶴橋には数えきれない焼肉屋さんありますね。だから私は“焼肉の街”としてもっとこの街、地域を盛り上げていきたいと思っています」
駅周辺に焼肉や韓国料理店が連なる一帯を“焼肉ストリート”と呼ぶそうだ。日本一焼き肉屋が密集するなかでも大人気の牛一さんのお肉を、しっかりと堪能させていただいた。
無事にインタビューも終わり店を出た。昼過ぎに始まった取材だったが、すっかり日が暮れていた。今日はありがとうございました! と会長に挨拶すると。
「今日は大阪泊まりですか? よかったらもう一件お酒飲みにいきましょうか」
齢80にして、我々取材班よりもタフな山根さん。ありがたく、日が変わるまでお酒をともにさせていただいた…。
男・山根明がオススメする鶴橋グルメ、いかがであっただろうか? ディープだがまったく怖くない、美味しい鶴橋を味わってくれたまえ!
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