平昌五輪で消滅? 韓国ソウルの三大置屋街に潜入【前編】

伝説の置屋街「清涼里588(オーパルパル)」はいま

すでに廃墟状態

実話ナックルズ8月号で報じた、韓国と北朝鮮の国境沿いにある置屋街「ヨンジュコル」のレポート。
当地は電車とバスを乗り継いで行かなければいけない辺鄙な場所であることは確かだ。
そこで今回はソウル市内にある「清涼里588」「ミアリテキサス」「千戸洞テキサス」という通称〝ソウルの三大私娼街〟の最新情報をお伝えしよう。
韓国では朝鮮戦争後、各地に「集娼村」と呼ばれる売春を斡旋する土地ができた。日本でいう赤線だ。
性風俗に寛容なお国柄もあって、ソウルでもいたるところに集娼村が発生したが、その中でも規模が大きく発展したのが先に述べた三カ所である。
置屋で働く美人アガシたちは、長らく大韓民国の首都の下半身を支えてきたわけだが、2004年に「性売買特別法」が制定され状況は一変。
「韓国から売買春を一掃する」というスローガンのもと、置屋は違法とされ、それ以来細々と当局の監視のもと営業を何とか続けている状況である。
さらに置屋の運命を左右したのが今年開催された平昌オリンピックである。海外から多くの外国人観光客が押し寄せる首都ソウルに、いまだ前時代的な置屋が存在するのはよろしくない。ということで、取締はますます強化。いまや風前の灯といった具合だ。
記者はまず、繁華街から最も行きやすい「清涼里588(チョンニャンニ・オーパルパル)」へ向かった。名前の由来はその地区が典農洞588番地に存在するためだ。地下鉄1号線の清涼里駅5番出口を出てしばらく歩くと目の前に広がっていたのはオーパルパルの残骸だった。

オーパルパル跡地

清涼里から徒歩5分。数年前までここにガラス張りの置屋が建ち並んでいた。

エロ衣装を着た美女たちが座ってた赤い椅子

エロ衣装を着た美女たちがこの赤い椅子に座り客を引いていた。わずかながら残された建物も現在は解体を待っている状態

そこにあったのは破壊された飾り窓や、女の子が座って客を引いていただろう赤い椅子だけ。
ハングルが読めないので何ともいえないが、立ち退き反対を示すかのようなスプレーで書かれた文字も散見された。588は完全に無くなってしまったのか…。どうやら跡地にはロッテの大型商業施設が建つらしい。
個人的な体験を語らせてもらえれば、筆者が初めて海外風俗を体験したのが、ここオーパルパルだった。
もう十数年前になるがピンクのネオンに照らされた何十人もの韓国美女たちが「オッパー」と客を引く姿は圧巻だった。在りし日の歓楽街の様子を思い出しながら周囲をぐるりとまわると、区画が少し離れた病院施設の脇あたりに、怪しく光るネオンを発見。もしかすると…。
「お兄さん日本人かい? オーパルパルはじぇんぶ潰れたよ。あるのはココだけ。20分10万ウォン(約1万円)だよ、遊んでいくかい?」
齢60は過ぎているだろうオモニの客引きがそう説明してくれた。おそらく区画整理の外にある離れ小島のような置屋だけが残されたのだろう。

オーパルパール跡地から少し離れた区画外

オーパルパール跡地から少し離れた区画外の場所に一軒だけぽつりと置屋が。しかしレベルはかなり低く客もいないようだった

中を覗くとおそらく30オーバーであろうお姉さんが2人、お茶をひいていた。残念ながら私のタイプではない。「また今度」と挨拶して、その場を後にした。
続いて向かったのが「千戸洞(チョノドン)テキサス」。
テキサスという言葉の由来はよく分かっていないが、西部劇などにある1階で酒を飲み2階で売買春を行う店からとったとされている置屋を現す隠語のようなものだ。
中心部からやや離れたソウル特別市江東区の千戸駅から、あるいて10分程度。路地の奥まった部分が急に光り出す。入り口から入ると、ロの字のように、飾り窓形式の置屋がズラッと並んでいる。多い店では4、5人ほどのアガシが。これは想像していたより人数が多い。
「オッパ!早く決めないとダメよ、うちは可愛い子ばかり」
と呼び込みのオバちゃんがけたたましく声をかけてくる。嬢本人ではなく、オバちゃんが呼び込みをするのは大阪と飛田新地などと同じスタイルだ。
千戸洞テキサスは想像以上に規模が大きい。メイン通りから枝の様に別れた裏路地にも店が点在しており、女の子は数十人いるようだ。
訪れたのは土曜の夜だったため、女の子を見に来た男たちも多い。しかし日本人が来る事は珍しいらしく「イルボン」だと伝えると怪訝な顔をされた。

夜の千戸洞テキサス

金曜夜の千戸洞テキサスの様子。女の子を選んだらヤリ部屋へ移動するスタイル

20代~30代後半くらいまで肉感的なアガシたち

20代~30代後半くらいまで肉感的なアガシたちが客を引いていた

魅力的な女性がたくさん居たが、まだ置屋は一カ所残っている。あえてここでは遊ばず、一度場所を変えて心を整えることにした。向かうのはソウル市内に残された最大の置屋街「ミアリテキサス」だーー。(花巻トオル)

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