事情を知る売人が語った 2丁目ドラッグシンジケート崩壊か

引きずる”成宮ショック”

「あの事件で2丁目の“ドラッグシンジケート”は大騒ぎになりました。その影響が今出て来ています」
そう語るのは近辺の薬物事情に詳しい元売人の男性X(40代)だ。
「あの事件」とは、俳優・成宮寛貴のコカイン吸引疑惑を週刊誌が報じたことである。2016年12月のことだ。
しかし事件から1年半以上が経過した今になって、なぜ状況が変わってきているのだろうか。まずは新宿2丁目と成宮の関係をざっとみておこう。
関係者によれば「成宮はもともと”2丁目の住人”」だという。”2丁目の住人”とはご存知の通り、ゲイを意味する言葉だ。ゲイとドラッグの関係は、以前から定番として語られるが、その実態はあまり知られていない。
「2丁目には”売り専バー専門”とも言えるドラッグのディーラー(売人)集団がいるんです。ここから広がるドラッグは多い。違法になる以前は『ラッシュ』『ゴメオ』なんてネタが表沙汰になり話題になりました。売り専バーと言えば、男版の連れ出しスナックのこと。客は売り専ボーイを店で指名し、2時間1万円でホテルに連れ込むわけですが、そこで重宝されるのがコカインをはじめとしたドラッグなんです」
持続時間が30分~1時間と短く、1グラム3~5万円と高価なことから一部では”セレブドラッグ”と言われるコカインだが、2丁目界隈では売り専ボーイや常連客たちの間で急速に浸透しているという。”流通”はかなり大胆に行われるという。
「流れはこんな感じです。売り専バーの店でママが売人に電話を入れ、ドラッグを手配する。
夜なら1時間かからずに手にすることが可能です。売人たちは、品薄になったドラッグをお互いに補填し合うなど”互助会”的な組織を形成しているため、”ドラッグシンジケート”と呼ばれている。複数の店舗をまわり、1日20万円以上を売り上げるなんてザラ。常連だけに配り歩くだけで月何百万円と稼ぐ売人もいます。仕入れ値は半分以下ですね」
シンジケートの売人たちが新宿2丁目を根城にする理由はそれだけではない。
「ゲイのための閉鎖された空間だからですね。このコミュニティでドラッグを回している限りは、一般の取引先より足が付きにくい。特に、売り専バーなんて警察の潜入捜査ができませんから。下手に買い手を広げるよりも、2丁目の固定客だけに絞ったほうが低リスク」
かつて、新宿2丁目の”ドラッグシンジケート”に深く潜行していた著名人もいた。覚醒剤取締法違反容疑で逮捕歴のあるミュージシャンAである。
「Aの長年の恋人は、当時、人気ゲイバーのボーイだった。当時からMは2丁目に遊びに来ており、やがて恋仲になったが、このボーイが重度のシャブ中だったんです。Aの公判では、ドラッグ売買の元締め的な存在がボーイだったと判明しました」
Aの逮捕でも”シンジケート”が崩れることはなく続いてきたとXはいうが……。
「売人たちは、成宮の件をたれ込んだ人物が自爆覚悟ですべてを暴露することを今も怖れています。騒動の直後に海外逃亡した売人もそのまま帰ってきていないと聞いています」
守られてきた”掟”がついに崩れる時が来たのか。

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