【大宮ソープ火災】放火疑惑の「防犯カメラに映った男」を追う

【大宮ソープ火災】実は事故じゃなかったーー
放火疑惑の「防犯カメラに映った男」を追う

店を恨んでいた男

発生から約1年が経ち、捜査関係者の間で「いよいよ迷宮入りじゃないか」と囁かれている事件がある。
「昨年12月、さいたま市大宮区の風俗店で男女5人が死亡した火災です。その日、火災報知機が作動していながら短期間に被害が拡大し、40代の男性客2人と20代の女性従業員3人の計5人が死亡、7人が負傷するという大惨事になりました」(社会部記者)
悲劇が起きたのは、人気ソープ店『K』。
同店は大宮東口のソープ街、いわゆる「北銀座通り」では知られた存在だった。築50年以上の老朽化した建物には外階段や窓がなく、建物内部には瞬く間に煙が充満。挙げ句、逃げ場を失った男女たちの死を招いた。無邪気な下心を携えてソープに出向き、命を奪われた男性客2人は浮かばれない。
そんな男女の無念を晴らすかのように埼玉県警はある疑惑の捜査を続けていた。大宮の風俗関係者が明かす。
「実は、放火の疑いが浮上していたんです。警察によると、出火元は建物南側の2階にあるごみ捨て場。警察が何十回とカメラの解析をした末に割り出したのが、関係者Aだったようです」
複数の関係者証言によるとAは、同店に恨みを持っていたとされる。捜査関係者が打ち明ける。
「実は、Aが火災当日に2階に上がる様子が店の監視カメラに映っているのです。同店とトラブルの末に犯行に及んだと考えれば動機は充分ですが、(監視カメラには)放火の決定的な証拠は残っていなかった。現場の状況から放火と断定し、さらに『A以外は犯行をなし得なかった』と結論づけできれば立件は可能なのですが……」
埼玉県警は12月20日、被害者のうち1人の男性客(当時41)の避難誘導を適切に行わずに急性一酸化炭素中毒で死亡させたとして、ソープ経営者の男(41)や従業員ら計4人を業務上過失致死容疑で書類送検した。
「県警の中には『これで捜査終結だ』と宣言する者までいます」(前出・社会部記者)
現在、捜査線上に浮かんだAは関東近県の風俗街で働いているという。果たして、迷宮入りになってしまうのか。

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