【潜入】あのブレイク俳優も常連ーー?
東京「闇バカラサバイバル」の全貌見た
麻薬のような作法とは
紹介者のN氏に連れてこられたのは、都内某所にある路地裏の雑居ビル。
看板には各フロアに入っているバーやスナックの名が載っているが、何も書いていないフロアが一つ。エレベーターはそこで止まった。
降りると、大人3人がやっと立てるくらいの小さなスペースがあり白い大きな防火扉が目の前に立ちふさがる。エレベーターが下がったのを見届け、天井についた不自然な防犯カメラの発する光だけを頼りにN氏が電話をかけると、中から戸が開き光がもれる。
20畳くらいのスペースにバカラ台が3台。正装をしたディーラーとホール係の若い女がホテルマンのような落ち着いた声と振る舞いで「いらっしゃいませ」と声をかけてくる。
すでに客は10人程度。各テーブルに散らばって座っている。
全ての客は紹介制で、高額所得者同士の繋がり、あるいは、高級クラブのホステスや高級風俗の上客を抱えたキャッチ、マージャン店の経営者などを通した紹介で店を訪れる。店はむやみに客を増やしても摘発の可能性も増すばかりであるが、高い金を持続的に落とす客はつかまえたい。限られたルートを駆使し客を集めている。
分厚い札束がチップに替えられゲームが始まる。
N氏によれば、現在都内に闇バカラ店は30くらいはあるという。
10年ほど前一番多かった歌舞伎町は摘発で姿を消し、変わって東京東部、上野や錦糸町の繁華街にその数を増やしているとされる。多くの店が少なくとも月売上3000万円だというから驚くほかない。
しかし、ここ数年でバカラ店の数自体だいぶ減った。警察の締付け強化で摘発されて消える店もあれば、経営が行き詰まり、収益は低いが客にとっての敷居も低いインターネットカジノや闇スロットへの事業転換をする店も多い。
それでも闇バカラは消えない。N氏は語る。
「バカラ経営は、これだけの少人数・小スペースで何の仕入れも技術もなく毎晩ハンパない現金が落ちてくる。こんなうまい商売が表社会で許されたらみんなまともな事業なんかしなくなりますよ」
それでも許されぬことに手を出そうとする、手を出し続けられる人間がいる。ポッと出のバカラ屋やお飾りの経営者は、ある程度金がたまったところを狙った当局の摘発で消えるが、いくら摘発しようともその上にいる実質的な胴元には決して触れない。仮に触れたとしても、そこには政界・財界と裏世界の有力者が絡むため表には出せないという。
本物の胴元は、行政・警察との癒着、競合との駆け引き、金の在り処との繋がり、全てにおいて対策済み。だから消えない。待たざるものは永遠に持てず、持つものはさらに持つ。それが現代の日本のルールだ。
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