深刻な人員不足で店主が壊れかけた例も
“人員マシマシ”は夢物語?
圧倒的なボリュームと濃厚な味つけ、さらに“ヤサイマシマシ”のような独自の文化で知られる「ラーメン二郎」。
東京の三田本店からのれん分けされ、首都圏を中心に広がっていった二郎は札幌や京都といった地方にまで進出し、今では約40店舗が点在している。
そんな二郎に対し、常に行列ができている繁盛店というイメージを持つ人も多いだろうが、意外にも近年は閉店が目立つのだ。
今年4月には新橋店、5月には新小金井街道店が相次いで閉店。
新小金井街道店の場合は店主が引退しただけで、6月に新しい店主が早々と後を継いだが、新橋店は人員不足が理由だったとのこと。
「そもそもラーメン屋自体が重労働なわけですが、典型的な薄利多売である二郎は、特にキツいでしょう。
アルバイトを募集している店舗もありますが、時給は1000円そこそこ。決して割がいいとは思えません。
それに“ジロリアン”と呼ばれる熱心な二郎ファンたちは、ネット掲示板で店員のあだ名をつけるなどして、勝手に盛り上がっています。
そういう標的にされてしまう恐れも出てきますし、よほど二郎が好きか、将来的に独立したいという野心が強くない限り、二郎で働くのは難しいのではないでしょうか。
もっとも店舗によっては、二郎とは縁のなさそうな女子高生がアルバイトしている姿を見かけたこともあるので、人員不足の問題は、各店舗の立地や雰囲気に左右される気がしますけどね」(二郎全店舗を回ったグルメ記者)
そう考えると、薄暗いスナックビルの一角にある府中店は不運だったか。
2016年の夏、助手に恵まれないまま連日ワンオペを続けていた店主が、営業中にボーッとする、麺を茹ですぎる…といった異変を見せるようになり、ネット上で騒がれたのである。
さすがに本店から指導が入ったらしく、府中店は一時休業することに。
やがて元気に復活を遂げたが、もう少し放置されていたら、この店主には最悪の事態もあり得ただろう。
「仙川店の先代店主は、2004年に鬱で自殺してしまったと聞いています。
二郎との因果関係は不明ですが、少なからずプレッシャーを抱えていたのかもしれないですね。
一方、2016年に閉店した大宮店の店主は現在うどん屋を営んでおり、二郎みたいな化学調味料まみれの料理に嫌気が差したというウワサも。
二郎ほどの人気店だからこそ、店主たちにはそれぞれ悩みがあるのでしょう」(同)
二郎といえば黄色い看板が印象的だが、その内情はブラックなのだろうか。
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