【特別公開】パタヤ振り込め詐欺グループメンバー”獄中手記”
「私がみた犯罪現場のすべて」Part1
手記を寄稿し、現在は東京拘置所で裁判を待つ滝下貴秀被告だが、自らの体験を活かし具体的な詐欺対策について今後覚醒ナックルにおいて数回にわたり記事を掲載予定だ。
逮捕当日何が起きたか分からなかった
2019年3月29日、タイ王国パタヤにて日本人詐欺グループ15人が逮捕。同年5月24日に現地で日本警察へ引き渡され、逮捕、強制送還となりました。
私はその逮捕された15人の中の一人で、タイから日本へ詐欺の電話をかける「かけ子」として組織に荷担していました。
逮捕当日は近所の工事の影響で箱(アジト)が停電していたため、発電機で電話類だけを使えるようにしていました。薄暗い室内で数人が電話している状態で、私は箱の入り口が見えない奥の部屋にいたのですが、入り口の方が騒がしくなっていたので何だろうと思っていると、突然数人の色黒な男が現れ「Don’t move! Hands UP!」と言うので、私は何が起きたのか理解出来ませんでした。広い部屋に15人全員が集められ、警察に囲まれようやく状況が理解出来ました。私は逮捕されたんだと。
現在私は裁判中で、東京拘置所に収監されており、判決が出しだい刑に服す事になります。今さらではありますが、この場をお借りして私が詐欺組織へ荷担し詐欺を行った事により、被害と御迷惑をお掛けした全ての方へ心からお詫び申し上げます。謝罪して済む事では無いと分かっていますが、捕まった事により被害者の方々の気持ちを知り、改めて自分の罪の重さを実感しました。
その上で自分の罪と向き合い今後どうすれば罪を償えるのか、自分に何が出来るのかを考え、私が経験した詐欺の内容、手口、組織の事等々、詐欺から身を守る為の知識として情報を発信する事が今の私に出来る事だと考え、この手記を書かせていただく事になりました。
自分は大丈夫だと思っている方が被害に遭うケースは数多く有ります。この記事を通して、より多くの方が詐欺対策の知識を学び、被害を減らす事に、また組織の手口、実態を知る事で、安易な気持ちで犯罪に荷担したり利用されてしまう若者を減らし、犯罪を減らす事につながれば幸いです。
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