ボクシング世界王者・高橋知哉の青春ストーリー『あんぽら』第1章

ボクシング世界王者・高橋知哉の春ストーリー『あんぽら』
第1章 「地下地下の賭け喧嘩 デビュー戦」

ボクシング世界王者の高橋知哉さんの「賭け喧嘩」デビューから、プロボクサーとして世界ヘビー級チャンピオンになるまでの青春ストーリーを描いた『あんぽら』の連載がスタート!
喧嘩ばかりの熱すぎる生き様をリアルに描き出す!

第1話 4号棟裏のショーキとトモヤ

「トモヤぁ~、この間も街中で派手にやらかしたらしいなぁ。弱い奴ばっか相手してんとこの世の中には強い奴がようさんおるぞ!」
金髪坊主のショーキが4号棟裏の倉庫の溜まり場で、サンドバックを叩いていたトモヤにいつものように舐めくさった感じで言ってきた。
「俺もなぁ、空手やら格闘技やらやってきてな、ほんま色んな奴見てきたなぁ」
トモヤは4つ上の幼馴染みのショーキの言うことを黙って聞いていたが、胸の内ではショーちゃん喧嘩してんの見たことないやんと思ってた。
角材の束に腰掛けたショーキは、倉庫に投げ捨てられている原チャリの盗品をちらちらと見ながら話し続ける。

倉庫に捨てられたZXのパーツ

「腕試したいんやったらな、俺が先輩を紹介したるさかい。なんでか言うたら、在所(ざいしょ)の14棟の地下に喧嘩できる場所をつくんねん」
ドヤ顔でビシ(マリファナ)に火をつけ、肺に溜め込んで息を止める。それはいつものショーキの吸い方で溜め込んで息を止めるとキマりが深くなるらしい。グッとむせた仕草をした後に思いきりトモヤに向かって煙を吹きつけた…

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