“AVの帝王” 村西とおるの「閻魔帳」人生は喜ばせごっこでございます。 Vol.2

“AVの帝王” 村西とおるの「閻魔帳」人生は喜ばせごっこでございます。 Vol.2

“AVの帝王” 村西とおるの「閻魔帳」人生は喜ばせごっこでございます。 Vol.1

Profile:村西とおる
1948年9月9日生まれ
福島県出身。高校卒業後、上京後バーテン、英会話セットのセールスマン、
テレビゲームリース業を経て「裏本の帝王」となるが全国指名手配となり逮捕される。

その後AV監督となって今日に至る。

前科七犯(うち米国で一犯)
これまでに3000本のAVを制作し、7000人の膝と膝の間の奥を視認してきた。顔面シャワー、駅弁の生みの親。
「昭和最後のエロ事師」を自認し「AVの帝王」と呼ばれている

自分や人間を超えたものの存在

その症状を発症したのは二十二年前でございます。
ハワイの拘置所の独居房の中でした。突然過呼吸となって窒息死寸前になったのでございます。
その症状に襲われる前は独居房のソファーに横になって、ボンヤリとこれから先の我が身の行く末を考えていました。

逮捕された容疑は「ビザ法違反」でございます。
「労働ビザがないのに許可なく米国内で撮影を行った」という罪でございます。
米国には三000万人の不法労働者がいる、といわれていました。
そうしたことから自分にかけられた容疑で、それほどたいへんな罪に問われることになるとは考えてもいませんでした。
近いうちに釈放されて日本に帰れるに違いない、そう楽観的に考えていました。(実際は思いのほかの展開となり、なんと三七0年の求刑をされることとなるのであります)

そんな時、でございました。
なんの前触れもなく動悸が急に早くなったのです。
「ドク・ドク・ドク」と異常に心臓が大きく鼓動し、体も反応して波打ちはじめました。
飛び起きました。
「どうしたんだろう、激しい運動をしたワケでもないのに」
とパニックになりました。

それまでは自分自身の健康には絶対の自信を持っていました。
カゼ以外にたいした病気をしたこともなく、入院の経験も皆無です。
完全に冷静さを失い頭が真ッ白となりました。
体を起こして正座し「深呼吸」をしてみました。
それでも心臓の激しい鼓動が静まる気配がありません。

「どうしたんだ、何が原因でこんなことになってしまっているんだ、死ぬのか・・・こんなハワイの拘置所の独房で」
と思った瞬間、眼の前がグラリと反転しました。
過呼吸となって息が出来なくなり、苦しさのあまりブッ倒れたのです。

頭の中で「嫌だ、死にたくない、死にたくない」と叫んでいました。
顔から体全身に、サウナでかくような汗がビッシリ湧き出ています。
「看守に助けてもらう・・・」鉄格子のところまで這いながら体を運びました。
鉄格子を両手で握って顔をつけました。
独居房の通路の端に出入口の扉が見えます。
その扉に向かって「ヘルプ!!」と叫びました。
否、叫んだつもりでした。
けれど呼吸がままならない状態に陥っていて、満足に声が出てきません。

「ヘルホムプラムプ△×□○」言葉にならない声を振り絞って、鉄格子にしがみついていました。
「これまでか」死の恐怖と苦しみと涙で顔がグシャグシャになっていました。
と、その時…


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