今週の裏文春vol.31 高い? 安い?「プロ職人」文春記者の給料の話

【関係者リレー連載】
今週の裏「週刊文春」 高い? 安い?「プロ職人」文春記者の給料の話

T田さん
週刊誌黄金時代の女性週刊誌元デスク。現在はニュースサイトのメインライターとして経済事件を担当

ベテランの年収は??

昨年、週刊文春のベテラン記者が続々退社したというのは既報の通り。年を跨ぎ、今年1月以降、文春には2~3人の若手特派記者が新たに採用されたらしい。
文春といえば、他の週刊誌のエース記者に高額な年俸を提示し、「うちで活躍してくれ」と言って引き抜きまくる「出版界の読売巨人軍」。記者の平均年齢40歳以上というプロ職人集団といったイメージだが、今回採用されたのは全員20代というから驚きだ。業界外の人はピンとこないかもしれない。しかし、これまでの文春では考えられない事態なのだ。
「今回の新人記者は、もともと新聞社で働いていた社会部記者などが中心。だから、まるっきりの新人じゃないんだけど、海千山千のバリバリの記者を採用していた過去の経緯を見ると、やっぱり驚き。でも、それには社内の深い事情があるんですよ」
そう匿名で明かすのは、ある文春関係者だ。それはずばり文藝春秋の懐事情だという。
「経費削減という意味もあると言われていますね。文春は週刊誌売上1位と言うけれど、ここ1~2年は売上部数が急激にダウン。プライドがあるから刷り部数を減らすこともできないし、仕方なく人件費の削減のほうに目が向いているんですよ」(同前)
文春のベテラン記者ともなれば、固定給にプラスして原稿料が支払われ、年収は1200万円を遥かに超える。さらに潤沢な取材経費を合わせれば、1人在籍しているだけで2000万円以上の経費がかかるいという。
そんな懐事情もあり、ベテランの3分の1という安価で雇える20代の記者を複数雇ったというのだ。折しも昨年、経理畑出身の幹部が文藝春秋の社長に就任したばかり。今後、週刊文春編集部の取材経費というパンドラの匣にメスを入れるのかどうか。現場の記者たちは戦々恐々としているようだ。

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