クズネタを極上物へリメイクする”ドラッグ再生工場”とは
プロが頼る職人技
「マインドがクレイジーな方向に行っちゃうのは混ぜもの喰ってるか寝てないから。純度が高いのを喰えばそうそう壊れることはないでしょ」
北関東にある喫茶店で興奮気味に話をするのは、シャブの“炊き直し”を生業にしていたU氏。炊き直しとは覚醒剤をもう一度精製し、純度の高い部分だけを取り出す作業の事だ。
「色々な科学薬品をまぜて精製するんだけど、基本的には最低30グラムくらい一気にやらないと量的に損しちゃうかな。やり方自体は簡単なんだけど、根気はいるよ(笑)。不純物を“見て取る”っていう工程もあるから慣れないともったいないしね。お客さんは中堅どころの卸。あの人たちは大量に引っ張るでしょ? それが全部クズネタだと売れない。
その時に『減ってもいいからシナモノに変えてくれ』ってくるわけ。量にもよるけど大体一回で20万くらいはもらってたよ。精製っていや俺の知り合いに“隕石”作ってた奴いるから紹介してやるよ」
一体なんの事だかわからないが、とにかく待つこと1時間。サーファーのような出で立ちのK氏が登場した。
「おつかれ~。“隕石”の事知りたいの誰? ウィッス! よろしく~」
見た目通りな軽い印象のK氏は、ノリノリで語り始める。
「“隕石”ってのはクラックの事。ある薬品とコカインを混ぜて精製すると、純度の高い部分だけが分離して固まる。そうするとプラスチックくらい硬くて隕石みたいな形になる。だから“隕石”ってわけ。量もかなり減るから超高級品なんだけど、早ぇ~から一撃KO。8割はリピーターになるよね。俺はパクられて辞めたけど、1パケ10万でも飛ぶように売れてたね」
ドラッグリメイク…それはジャンキーや卸業者の需要から生まれた裏仕事の中でも稀有な仕事だと言えよう。(千住権三)
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