アウトロードキュメント:武井勇輝(31)後編

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街では普通のサラリーマン風の男性ファンから話かけられることも

不良少年の常識を突破する男の「今」

武井勇輝(31)ラッパー/アーティスト 後編
text&photo=鈴木ユーリ

ラップはガキの頃からやりたかった

「これ、アウトサイダーでタカ(黒石高大)との試合の時に切った傷のところっスよ」
右手のつけ根に彫られた、1万円札の束のタトゥーについて訊ねた時だった。
「自分の体から万札が出て来てるイメージで。
その下のマイクには羽が生えてて、マイクひとつで飛び立つって意味で、手の甲の“HUSTLE”(=稼ぐ)とも意味が繋がってて、歌で稼いで生きて行くってそのシンボルが万札」
武井勇輝は『THE OUTSIDER』を卒業した後、雑誌モデルやアパレルデザイナーとして活躍し、14年にはラッパーとしてアーティストデビューした。
翌年リリースした『to you…』ではiTunesのヒップホップチャートで1位を獲得し、彼の代表曲としても知られている。

アウトロードキュメント:武井勇輝-後編 右手のタトゥー

右手の付け根には「歌で稼いで生きて行く」という意味のタトゥー

—-いつから歌をやろうと思ってたんですか?
ヒップホップはガキの頃からずっとやりたかったんですよね。
昔から詩書くの好きで、中学の時からノートに書きためてて、暴走族の時もレゲエしか繋がりがなかったけどラバダブとかをトラックに歌ったりもしてたんですよ。
まあ今考えたら変なのばっかだけど。
喧嘩の歌ばっか(笑)
—-本格的にやりだしたのどんな経緯ですか?
アパレルとかやりながら、たまに地元のアーティストの曲に参加したりライブも出てたりしたんですよ。
それでタイミングで話があったから「やりたいっス」ってなって、最初の頃はビートでしか出来なかったんだけど、すぐ自分でプロデュースも楽器の作曲も出来るようになって。
今はちょいちょいビートも作る
—-武井さんの歌は『to you…』や最新曲の『see you…』などもふくめて、ヒップホップリスナーだけじゃなく広い層に届いてる理由は?
わっかんないですね。
さっきの中国人の人もそうですけど、今日も中野ブロードウェイに時計買おうと思ってブラブラしてたら、
普通のサラリーマンみたいな人に
「え、武井勇輝さんですよね? いつも歌聞いてるんで!」
って話しかけられてビックリして。
でもヒップホップの人も聴いてくれてますよ。
こないだもAK-69さんに会った時、「『see you…』、涙ぐんだよ」とか言ってくれて。

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プロデュースも楽器の作曲も出来、今ではちょいちょいビートも作る

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