【なぜ】新春マグロ特番が多いホントの理由教えます【面白い】
ネット世代の若者にもバズりまくり
2003年以降、なぜか新春恒例の大人気番組となっているマグロ漁特番。
テレ朝が『マグロに賭けた男たち』、テレ東が『巨大マグロ戦争』と銘打ち、共に15年以上放送している。
「放送日は、丸被りにはならないよう暗黙の了解で数日違いになるよう調整されていて、年によっては年末の時もある。青森県の大間漁港が舞台となるが、出演するマグロ漁師も違うために同じ場所の話とは思えない不思議な作りになっている」(ドキュメント番組プロデューサー)
こうして毎年放送されるのは、視聴率もそこそこ稼げて、そして何より縁起物で“マグロ漁イコールお正月”という視聴者のイメージが定着しているのが大きい。笑いも一切ない硬派なドキュメント番組にも関わらず、なぜかネット世代の若者にも“大バズリ”である。
「年が明けるとTwitterなどでは『テレビは一切見ないがマグロだけは見る』というツイートが沸いてくる。そして放送中は、番組名のハッシュタグや常連漁師の名前がトレンド入りするほど。ただひたむきに1つのことだけを追いかける漁師の生き様が、多様化する現代を生きる若者には新鮮に映るのでは」(同前)
テレ朝とテレ東、放送日における横並び番組の強弱もあり、どちらの視聴率が良いかとは一概に言えない部分はあるが、テレビ界では珍しい2局だけが長年争う形のマグロ特番。やはり『どっちが面白いのか』は気になるところだ。
今まで放送されたマグロ特番をすべて録画しているという熱狂的なマグロ特番フリークであり、別ジャンルである人気バラエティ番組で活躍するチーフディレクターが、その違いを説明してくれた。
「一言でいうと、テレ朝は人情劇、テレ東は実録劇。おなじマグロを扱う番組でも雰囲気は微妙に違う。あくまでどちらも好きで観るというファンが多いのを前提として、同じ業界にいる私の目線から観ると、テレ東の方が安定して面白いというのが正直なところ」
その違いは何なのか。
「テレ朝は人のドラマに重きを置いているせいか、漁獲シーンからの切り替えが多すぎて観ていて不自然な部分がかなり目立つ。数年前にはヤラセ疑惑が上がって当該漁師が週刊誌の直撃に反論していたくらい。その点、テレ東は漁そのものに焦点をあてて順序づけて放送していき、そこに人間関係も織り込む形で非常に観やすいというのが上とする理由。漁港関係者からの評判もテレ東の方が上と聞いている。実際、現場に行っているのは制作会社の人間でしょうけど、さすが共テレさん(老舗大手制作会社)がガッツリと15年以上腰を据えて制作しているのもあるのでは」
ここ数年はクロマグロの漁獲規制もあり、漁の手法にも変化が現れていて、両番組ともロケの撮れ高に一苦労だという。
一視聴者である我々は、単純に美味しいマグロを今年も食べることができれば、それはそれで幸せなことだ。(瀬戸ジーニアス)
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