麻取がマークする大麻畑「強烈台風でビニールハウスごと消えた…」

現場はほとんど何も残っていなかったという

麻取捜査官が落胆 強烈な台風で消えた大麻畑「ビニールハウスごと…」

過去には摘発も

9月の台風15号で大規模の停電と断水に見舞われた千葉県では、その被災地を見て別の意味で落胆していた人々がいた。東金市に近い某所、関東甲信越麻薬取締局の捜査官が、めちゃくちゃになった農地を訪れ落胆していた様子を地元住民の男性が見ていたというのだ。

「彼らがマークしていた大麻栽培者が“消えた”んだってさ。逃げたんじゃなく消えたの。大麻を育てていたビニールハウスに住み込んだ男が、台風でハウスごと吹っ飛ばされたんですよ」

男性は春ごろから大麻ハウスと、それを監視する当局の動きに気付きながら、すぐ近くの農作業をしていたという。

「我々農家から見れば大麻なんて育ててたら一目瞭然。ああ怪しいなアレって思うんだよ。ハウスの周りに不自然に背の高い作物を植えて、作物を見せないで出入りする感じとか。ときどき、こっそり近くに車が止まるから、ああ警察とか取り締まりの人たちだなって。こういうのは他でも見たことある」

実際、過去にこの付近では大麻ハウスが摘発された例が何度もあった。突然、捜査員が踏み込んでハウスごと押収していくのである。多くが事件として公表されないのは、栽培者のほとんどが組織の末端にすぎないからと見られている。組織的な大麻栽培は人の出入りのない一軒家やマンションの一室で住み込みの者が世話をするのが一般的だが、強い匂いを発することでバレた例も少なくない。しかし、こちらの人の出入りがほとんどない農地のビニールハウスでは匂い対策の必要もない。

「見つかりそうになったらハウスごと燃やすらしいよ。だから住み込みが必要なんだね。40か50ぐらいの小柄でホームレスみたいな汚い身なりオッサンがいてさ。台風の直前、避難もせずいハウスにこもったままだったのは、もしかするとテレビもラジオもなくて情報を知らなかったのかなあ」

深夜3時ごろ、台風15号が通過。その後、農家が畑で見たものはビニールハウスの骨組みと、そこに引っかかっるように集まった木々などのゴミ。そして、住み込み男が履いていたと思われる長靴が片方だけ転がっていた。

「あたりじゃプレハブの小屋まで高さ5メートルぐらい舞い上がってたから、ビニールハウスごと巻き上げられたんだろうな…」(住民男性)

男はそもそも身元不明、その行方は分からない。現場には大麻らしき葉の断片が少し見つかったが、ほぼ全壊の状態で大麻畑も消えていた。監視していた捜査官は台風を恨んだに違いない。(片岡亮)

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