瞬効果あり?
だが飲みすぎると……
もしかして,これは本物だろうかと思い、バイアグラの日本での製造販売元であるファイザーに現物を持参して、見てもらった。
「これ、ボトルだけでニセモノとわかりますよ」
ファイザー株式会社のニセモノ対策を担当する部長は、手にとるまでもなくそう断言した。模したのは古いタイプのラベルらしいのだが、糊が粗悪らしくて染みが浮きでている。本物は時間が立ってもこんなことにはならないという。フタの具合も「相当技術レベルが低いもの」とのことだ。
「それに、MADE IN USAなんて、本物はラベルには入ってないんですよ。そう入っていたほうが顧客の信用がある国のものなんでしょうね」
さらに錠剤を見て。
「これはニセモノにしてもかなりデキが悪いですね」
本物のバイアグラと並べられると一目瞭然だった。本物よりも青色が濃すぎる上に、刻印も違う。
「ニセモノは、刻印が深いんですよ。そっちのほうが本物っぽいということなんでしょうね」
見た目は完全にアウトらしい。だがこの錠剤はニセモノでも、本当に効いているようなのだが。
「バイアグラは商品名で、シルデナフィルというのが薬の名前です。国際特許があるのですが、現在、世界で正規品の2.5倍はニセモノが流通していると言われています」
新薬は世界各国で医薬品として認可されるためには、その組成を開示しなくてはらない。だから、多くの国でニセモノが蔓延しているのだという。
バイアグラと同じ成分を合成することは「ある程度の技術力があれば可能」だという。ニセ札作りに国家で取り組む国であるから、北朝鮮の技術力を結集すれば合成も可能だが、ニセバイアグラはもっと簡単にできるという。
ということは、本物とまったく同じか、というとそうでもないという。
「こんなところで作られているんですよ」
中国ではあるが、ニセバイアグラの密造工場の写真がある。農薬かペンキの工場かと思われる場所で密造されていた。信じられない衛生状態だ。こんなものを飲んだら体に悪いに決まっている。
不能な男性にとってみれば効けばいいじゃんということになるかもしれないが、正直飲み続けたらどうなるかは、全く分からない代物である。
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