ミスター・ビーンより似てないレベル
そんな業者に届いた「カルロス・ゴーンにそっくりな人を4人探してほしい」というオーダーがあったのはちょうどゴーン被告の担当弁護士が交代した2月中旬だったという。
「立場上、依頼主や詳細を明かすことはできませんけど、人探しに自信のある我々でも、かなり無理のある内容だったんですよ。外国人を探す場合、国外から呼ぶことも多いんですが、なぜか海外からはダメだと言われたんです。ただでさえ国内でゴーンさんのそっくりさんを探すのは大変なんですが、さらに4人それぞれ身長を揃えるという条件も付いたんですよ」
ゴーン被告は公称170センチと言われているが、依頼主からは「実際にはもっと低いから165センチぐらいで」との話があったという。
「だからゴーンさんを保釈するときに似た人を混ぜて影武者にしてマスコミをかく乱しようとしたんじゃないかと思うんですけどね。これがバラエティの依頼だったら身長の違う人が混じっていた方が面白いでしょうけど、身長がバラバラだと本物がバレやすいですからね」
結局、わずか4日間で揃えたゴーン似の4名はイギリス人、イタリア人、ロシア人、日本人という構成だったというが「4人ともミスター・ビーンより似てなくて、代金を請求できないレベルだった」と業者。ミスター・ビーンこと俳優のローワン・アトキンソンはたしかにビーン似と言われるが、さすがにその区別がつかない人はほとんどいないだろう。それ以下の人しか揃わなかったとなるとミッションは失敗。ただ、依頼主からは急きょ「不要になった」との連絡があり、業者は低レベルな仕事をしなくて済んだのだという。
「ゴーンさんが帽子にマスク、眼鏡の労働者コスプレで出てくることが分かっていたなら、似た人を集めるのはもっと楽だったんですけどね。依頼主がゴーンさん側なら、そんな極秘プランを事前に漏らすわけないですが…」(同業者)
影武者オーダーの真相はまったくの謎だが、ソックリさんを揃えて著名人の逃走をサポートすること自体は珍しくない話だ。人気絶頂期の福山雅治はファンやマスコミの尾行を避けるべく影武者を活用したことで知られている。
他人事で言わせてもらえば、もし本物をひとり交えたゴーン似の変装男5人が東京拘置所から出てくるという凄いシーンはぜひ見てみたかったところだ。(片岡亮)
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