【研究】発言から読み解く
「貴乃花はコミュ障」なのか
かつて医師が診断?
大相撲の貴乃花親方こと花田光司氏が昨年9月、日本相撲協会を去る会見で「年寄を引退する届け出しました」と語ったとき、現場記者からは「退職すると言わずに引退と言い出す、相変わらず言動が変」との声が漏れ聞こえた。彼らは過去の取材で花田氏の話に不可解なことが多かった印象を定着させている。
「実績も人気も申し分ない英雄なのに、言うことがいちいちおかしくて損をしている」
「北の湖理事長が存命ならかばってくれたんだけどね。支持者もみんな離れてしまった」
記者らからそんな見方が飛び交う花田氏はその退職会見上でも協会から圧力を受けていたことを強調していたが、話を聞くほど不可解さが増した。思えば過去、せっかく二所ノ関一門から独立した貴乃花一門でも、その言動についていけなくなった仲間らと距離が広がり、あげく自ら離脱し、一門ごと消滅させてしまった。
「協会改革を主張していた頃、その改革の中身の話をしてもさっぱり分からず、次第に支持者が減っていったんですが、あのとき協会に出入りするドクターが『コミュニケーション能力に問題がある』と言っていた」とは今はなき一門の事情通。
そのドクターは大相撲内で役職を持っているわけではないが、多くの力士、関係者の相談役となってきた、言わばメンタル的なタニマチ。花田氏について話を聞くと「個別の件についてはノーコメント」としながらも、こんな説明をしてくれた。
「ネット上ではよく、医学的根拠なく他人との会話が苦手な人をコミュ障と言いますが、病気と診断されるレベルでなくても、意思疎通が下手で、物事の進行の妨げになる人がいます。若い頃に育った環境に問題があったり、恋愛がうまくいかなかった経験や、発言が世間知らずだと笑われたりしたことがトラウマになって、人間不信になることに原因があることが多く、十代で部屋に入ってしまう力士の中には、それに当てはまる人もいるんですよ」
親の離婚や婚約破棄、兄弟の絶縁など、貴乃花の経歴もそこに合致する部分を感じさせるが、やたら占い師のような人物に傾倒するのもその表れなのか。退職前、何度もコンタクトを取ろうとした協会関係者が「まったく直接対話しようとしてくれない」と嘆いており、記者から「八角理事長と話し合いをしようとは思わなかったか」と聞かれても「理事長から話を頂ければ叶ったかも」と、あくまで待ち姿勢なのも、まさに人間不信。
世間では古い体質の協会を批判する声も多く、その対立軸として応援が集まっていたが、最後は「自己都合」を優先して旗を降ろしてしまった感は否めない。口を開く度に「弟子のため」と言うが、その弟子らは暴行や手当着服などトラブル多数で、結局、協会と揉めて部屋を潰してしまった。いまや息子とも音信不通の様子で、妻とも離婚。ドクターの見立てた「コミュニケーション能力に問題がある」が説得力を持つ。
今後、芸能界や政界で活動するという見方もあるが、その「コミュ障」風な振る舞いのままでは、人間関係が重要な世界での活動は不安が多く、その克服をした方がいいのかも。(片岡亮)
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