NGT余波「暴かれつつある"ファン連絡網"の存在」

NGT余波
関係者が語った「どのグループにも
“ファン連絡網”が存在する」

「総選挙」で出現した「闇チーム」

NGT48の山口真帆が、自宅に押しかけてきた男性2人に暴行された事件では、なぜかグループ運営側が真相を隠すような動きをして謎と批判を高めているが、その中で間違いなく事実だと分かったことは、犯人2人が一部メンバーのアイドルと直接対話できるパイプも持つファンチームの一員だったことだ。
NGT運営サイドは問題のファンチームに「今後の公演、握手会、イベントなどに出入り禁止」を通告したと明かしている。
アイドルの熱心な追っかけがチーム化することは珍しくなく、これは定番の流れだ。モーニング娘。が人気上昇したころには「オリキ」と呼ばれるファンが結束し、大勢のファンを扇動。ジャニーズでもチケットを売りさばく有力ファンチームが存在して、ヤラカシと呼ばれる問題ファンを締め出すなど、ジャニーズ事務所側の信頼を得ている。
こうしたファンチームは何かとアイドル側に利用価値があるため、運営側が密かに優遇するという図式が生まれるが、ただAKB48関連の場合は、メンバーの人数が多いため、すべてのチームを把握しきれず、運営側がその統制に失敗したこともあった。
「SNSアプリ『755』でファン側の動きを一括管理しようとしたんですが、運営側が金儲けとアイドルの行動把握に利用しようとしていたことに気付いたファンがむしろそれに背を向けたんですよ」と話したのはAKB48の有力ファンチームメンバーだ。
『755』はホリエモンも参画したサイバーエージェントの事業で14年に開始、ファンがタレントに直接メッセージを送り「返信率92%」という触れ込みでAKB48を使った広告宣伝をしていたが、思ったように利用者が伸びず、翌年には事業者側の「成長が見込めない」と判断、その後はすっかり影が薄くなった。
「AKBのファンチームが扇動すればかなりの人数が参加したでしょうが、『755』はチームの組織ごとアイドルとのやり取りが運営側に把握されてしまうのでデメリットしかないんです。逆にそんな運営側に反して地下に潜ったように他のファンと接触しない不審チームも増えたぐらい」と前出チームメンバー。
その闇チームの類が、NGT問題のファンたちだったのか。いずれにせよ、表立ってファン代表になっていたモー娘。やジャニーズのファンチームとは異質なチームが生まれたようなのである。
「AKB系の場合、総選挙という人気投票行事があるので、アイドル同士の競争が、そのままファンの戦いになる要素もあって、全体結束にならないんですよ。ライバルへの嫌がらせをするなんて今に始まったことじゃない」
たしかに過去、一部マスコミが、そんなファンチームから内部情報を手に入れて記事にしたという話はある。山口の暴行事件も、彼女が他のメンバーの素行を運営側に密告したところ、その報復をファンが請け負ったと見る向きがある。
それを運営側がなぜか隠そうとするのが非常に不可解だが、ただでさえ奴隷契約などが横行するヤクザな風潮の残る芸能界だけに、講師ダークな裏側が透けて見えてきたのはファンタジーを売りにするアイドルビジネスにとって最大の致命傷となりそうだ。(片岡亮)

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