1ヶ月の売り上げは1億円以上も
一口に特殊詐欺と言っても、いくつかの種類があります。多くの方は老人を狙ったオレオレ詐欺や、還付金詐欺を連想するのではないでしょうか。最近では自宅にカード類を確認しに来て違うカードとすり替える詐欺盗という手口も増えています。私たちは少し複雑な架空請求でした。
架空請求といえばYouTuberで、わざとふざけて電話をかける動画もよくあるので「こんな話で誰が騙されるのか」と思われるかもしれませんが、15人で1ヶ月の売り上げが1億円以上もあったのです。被害者は20代から80代まで、若者もよく騙されます。
その手口ですが、アマゾンや楽天といった大企業の名前をかたり、〈ご利用料金の未納が有ります。本日中にお支払い頂けなければ法的手続きへと移行します。ご連絡下さい。問い合わせ先は 03-××××-××××〉などというメールを送信します。それを見て慌てて電話してきた人に対応し、騙しとるのが私たちの仕事です。一度だけではなく、こちらから再度電話をかけて「他にも未納分の債券が見つかった」などと電話し、何回もだまし取ることもあります。前出のマニュアルに、その喋り方や対応方法などが具体的に書かれてありますが、慣れてくれば自分で書き換えたりマニュアルを見ずに電話する人間も多かったです。これ以外にもスキームは何通りもあり、説明が難しく紙幅の関係で全部はお伝えできないので、今後改て発表させていただければと思います。
全ての詐欺に共通しているのは相手の「心の隙間」に付け込むという事です。
誰もが抱えている不安や寂しさといった負の気持ちをあおり、時にはやわらげ、あの手この手で心の隙間に入り込み信用させてお金を騙しとります。持っているお金が無くなっても消費者金融や銀行ローン、キャッシング、最終的にはクレジットカードの現金化や携帯端末を契約し転売させ現金を用意させ、限界まで絞り取ります。
これは私の感覚ですが、一般的に言うお人よしな人や気が弱い人が騙されやすい傾向にあります。私達が行っていた架空請求では、ある日突然身に覚えが無い料金を請求されます。当然身に覚えが無い。そこで詐欺師は数点確認し、「あなたの端末はウイルス感染し誤作動を起こした可能性が高いので、一度払ってもらえれば国から返金を受けられる」等と言いお金を払わせます。一度でも信用して支払えば悪夢の始まりです。
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