あのネス湖でまさかのネッシーの死体発見か
本物か? いたずらか?
「ネス湖でネッシーの死体発見」——今どき東スポでもこんなネタやんねーぞ!!とオカルトマニアの怒声が聞こえてきそうだが、物語の舞台は正真正銘のネス湖である。
英国の大衆紙メトロの取材によると、犬の散歩をしていた市民が“ネッシーと思われる白骨死体”を湖畔で発見したという。ベタベタなシチュエーションに早くも嫌な予感がするも、写真を見てみると確かにその骨格は首長竜のようにも見える。伝説の怪物は実在したが、すでに死んでいた…長きに渡るネッシー伝説の幕引きとしては、いささか寂しくはないだろうか。
だが、写真が自然保護団体によってSNSにアップロードされると、目の肥えたオカルト愛好家たちから一斉に異論・反論の嵐が吹き荒れた。寄せられた意見の中でもとりわけ目立ったのが「内臓が完全な形で残っているのはおかしい」というものだ。
もう一度写真を見てみよう。確かに、全身白骨化しているわりに腸などの内蔵が腐敗もせず残っていて、むしろ骨よりも目立っている。そもそも、写真をアップロードした自然保護団体ですら「本物か?いたずらか?」と付け加えていたくらいだ。
ここまで書けばもう予想はつくと思うが、そう。この“白骨死体”は真っ赤なニセモノ。TV撮影に使われたセットだったという。こんな目立つものを放置すれば騒ぎになるに決まってるだろと言いたくもなるが、過去にも、映画用に作られた「ネッシー型潜水艦」が湖底で発見され、死体発見とニュースになったことがある。いっそ騒ぎになってくれれば宣伝になるという魂胆でもあるのだろうか。
もっとも、ネス湖の周辺住民にとってネッシーは生命線である。ネッシーは“いるかいないかわからない”神秘さがウリなのであって、実在すればそれはそれで大ニュースになるだろうが、長期的に見れば地元経済への打撃は計り知れない。ネッシーには公式な監視員が存在し、目撃情報が途絶えると「失踪宣言」が出されるくらいである。
ただ、近年のネス湖は油田開発会社などによって調査が進んでおり、これまでネッシーの棲家と考えられていた「ネッシー・トレンチ(溝)」が存在しないことも判明している。「ほら見ろ。やっぱりネッシーなんていないんだ…」という空気が醸成されつつあるなか、このようなニュースはむしろ地元に歓迎されているのかもしれない。セットを用意する側にとっても宣伝になり、「またこの手のネタか」と思いつつここまで読んでしまった、あなたのようなオカルトファンも喜ぶ。まだまだ我々はネッシーに振り回されそうだ。(ゼロ次郎)
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