【関係者リレー連載】今週の裏「週刊文春」 週刊誌に群がる「怪しい面々」
ふみさん(30代)
大手出版社月刊誌編集部の若手。夜の盛り場に繰り出し夜な夜な情報収集している
政治家でもヤクザでも乞食でも
政財界で「久々の文春砲か」と言われているのが、10月25日号の片山さつき地方創生担当相の100万円の口利き疑惑だ。記事では片山に口利きを依頼した張本人が証言し、明らかに文春側に資料提供をしているわけだけど、この構図は甘利明衆院議員の裏金疑惑とそっくりですな。あのとき文春は甘利に金を渡した張本人である右翼関係者に取材し、結局甘利のクビを取ってしまった。やはり当事者の証言に勝るものはないってこと。そんなさなか、文春編集長の携帯に自民党最高幹部から直電が入ったという。
「おい、編集長よ。甘利さんの記事のネタ元、筋が悪いんじゃないの。右翼なんでしょ? そんな連中からネタをもらって大丈夫なの?」
返す刀で編集長は、
「何を寝ぼけたこと言ってるんですか。そんな筋の悪い人物から金をもらっていた甘利さんのほうが大問題じゃないですか」
言い得て妙ではあるけれど、とかく週刊誌界隈には怪しげな連中がつきまとうのも事実である。翻ってみれば、週刊誌の仕事って、そういう有象無象の連中から聞き出した〝正体不明の情報〟の真実性や真実相当性を見極めることなんだよな。ネタ元がいくら怪しい人物だとしても、その人物が提示してきた物的証拠が事実を裏付けるものであれば喜んで記事にする。他方、「会社経営者」「ヤメ検」など、立派な肩書の方々の証言であっても、物的証拠がなければ一切信用しない。だから、彼らは警察でも官僚でもヤクザでも浮浪者でも平等に付き合う。「国会議員と赤坂でランチをした後、夜はヤクザと会合で、明日朝は教育委員会主催の勉強会に呼ばれていて」なんていう文春記者だっているわけ。
これが文春流の〝ファクト至上主義〟なんだってよ。
ある文春記者は「週刊誌の仕事は、名誉毀損という高い塀の上を歩いていく仕事だ」と言っていた。一歩間違えば裁判でボロ負けするし、うまくいけば大臣のクビだって取ることができる。どっちに転ぶかの大勝負。視界良好でなければ塀の上を歩くことはできない。物的証拠という名のサーチライトを手に入れないと一ミリだって前に進めないって!
Leave a Reply