今週の裏「週刊文春」10年後には消えている?
マコト(40代)
専門学校卒業後、フリーライターを経て週刊誌記者に。得意ジャンルは相撲と犯罪
冷凍保存されたネタを解凍しても…
今週の文春(8月2日号)を見て、アッと目を剥いたのは週刊誌関係者ばかりではないはず。
目玉記事である左トップのタイトルは、「殺人猛暑に打ち勝つ三食メニューはこれだ!」
老人系雑誌と見紛うようなタイトルが踊っているではないか。
文春ともあろう雑誌が、いつから老人に媚を売るようになったのかしら。案の定、他誌の記者は「文春はネタ切れだ」と口を揃えていっていた。
週刊誌記者の間では「困ったときの健康モノ」というのが合言葉。編集部では、常に「健康モノ」のストックを冷凍保存しており、ネタがないときに緊急避難用にそれらの記事を解凍し、紙面構成をするのだ。
ということは、最近の文春はよっぽどネタがないんだなぁ。
実際、ある文春関係者が聞いたことのないレベルの小声で言うには、
「新編集長の就任1発目の号(7月19日号)がまったくもって売れなかったというんですわ。にわかには信じがたいんですけど、ここ30年くらいで最低水準の実売部数だったそうです」
週刊誌全体、いや、出版刊行物全体の売上が低迷する中、一人勝ちを続けてきた文春。しかし、それも今は昔らしい。刷り部数の5割も売れず、最近の実売部数は30万部前半〜40万部の前半を行ったり来たりという有り様だという。
「実際、現場の記者にとっては雑誌が売れようが、売れまいが、自分がいいネタで記事を書ければいいんですよ。でも、これだけ売上がダウンしちゃうと、経費に影響しちゃうんじゃないかって心配なんですよね」(同前)
文春といえば、ネタを取るためには潤沢な取材費を使うことでも知られるが、それすら危うくなっているというのだ。
そんななか、ある大手出版社の社員からこんな景気の良い情報がもたらされた。
「いま売れているのは週刊誌じゃない。文春だけではなく、どの雑誌もそう。売れているのは唯一、乃木坂の写真集ですわ。講談社フライデー編集部がリリースした彼女たちの写真集は、30万部のバカ売れで会社はウハウハです」
書店で覗き見してみたけど、メンバー同士が撮り合ったクソみたいな自撮り写真ばかり。カメラマンのギャラは一銭もかかっていないし、丸儲けってわけなのだ。ドル箱の乃木坂はフライデーにスキャンダルを狙われることもなく悠々自適。これじゃあ、雑誌ジャーナリズムなんて言っていられないよ。
10年後、週刊誌って存在するのかな。そんなことを考える今日この頃でした。
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