アウトロードキュメント: 鬼 前編

監獄ラッパーがゴールデン街で音を奏でる理由:前編

新宿区歌舞伎町1丁目。
花園神社と区役所通りにはさまれた一角に、猫の額ほどのちいさな店がひしめきあう飲み屋街がある。元青線エリアの長屋がそのまま使われ、昭和の匂いが色濃くただよう「新宿ゴールデン街」。 古くは芥川賞作家や映画関係者などがたむろし、近年は外国人観光客も多く訪れるこのエリアを拠点に活動するミュージシャンがいる。
福島県出身のラッパー、鬼。
獄中からリリースした1stアルバム『赤落』とつづく『獄窓』『湊』は、ヒップホップシーンのみならず音楽リスナーに鮮烈な印象をあたえ、「下流リアルに 新世代ラッパー」として朝日新聞にも取り上げられた。 懲役による活動休止期間をはさんで昨年、「突然の失踪。赤落の解散。 3度目の実刑」と名打たれた7年ぶりのオリジナルアルバム『火宅の人』をリリースした。

Leave a Reply

Your email address will not be published.