4大タイトルマッチ開催! 『路地裏喧嘩劇場 飛車角』第二十三回大会リポート
全十八試合の殴り合い
東京の外れ、臨海都市の片隅に、全身刺青だらけの男たちが集結し異様な雰囲気を醸し出していた。
今年で10周年を迎える『路地裏喧嘩劇場 飛車角』の第二十三回大会が、7月22日に新木場1stリングにて開催。
渋谷で立ち上げられたられた地下格闘チーム『渋谷飛車角道場』が定期的に開催してきた。
東京中の不良を集めたリアルな喧嘩祭りは、年々規模を拡大。
今大会では北関東・東北・九州など全国各地から猛者が集結し、全18試合の殴り合いが展開された。
今大会の注目は『飛車角道場十周年チャンピオンカーニバル 4大タイトルマッチ』と銘打たれた4試合。
バンタム級、フェザー級、ライト級、ウェルター級、各階級でベルトを懸けた熾烈な闘いが繰り広げられた。
バンタム級チャンピオン『千葉漢塾』所属、渡邊英仁とフリーのようすいが激突。
フットワークの軽い2人。お互い手数は出るものの決定打に欠き延長戦へもつれこむ。
両者、打撃が得意だなだけに主導権をゆずらぬ乱戦となったが、王者渡邊のフックがアゴに突き刺さる。
その後も集中的にパンチを浴びせた渡邊が試合巧者ぶりを発揮。紙一重の差で2度目の防衛を果たした。
アグレッシブに攻める挑戦者のパンチと蹴りが王者吉野を襲う。
吉野はカウンター狙いでやや引き気味に試合をコントロールしようとしたが、いかんせんこの日は体が重かった。
2度のダウンを喫した時点で試合は決まった。新王者に輝いた伊藤は地下格闘イベント『益荒男』との二冠を達成。
『宇都宮AG』のチャンピオン、マモル。『宇都宮DURGA』の笠井ヨシヒロ。
ともに北関東屈指の不良激戦区を生き抜いてきた男だけに、そのファイトも実に攻撃的。
やや突進気味に体をぶつけていく笠井をかわし、強烈なパンチを浴びせて行くマモル。
判定をめぐりやや感情的になった笠井は少しだけ心に隙ができたのか…後半ラッシュで押して来るマモルを止められず。
判定2-0でマモルが激戦を制してベルトを死守した。
第十八試合。
ーー勝負は一瞬だった。
「バキっ!!」
会場中に響き渡る骨が打ち抜かれた衝撃音。
開始わずか10秒たらず。
濱上の左フックが安藤の顔面を打ち抜き、マットに倒れこんだ。
飛車角道場随一の猛者、薩摩隼人濱上の快勝に会場はおおいに沸いた。
史上初となる4大タイトルマッチを終えた、渋谷飛車角道場、鈴木清詞代表に話を聞いた。
「今日の大会を振り返るとやっぱりメインの濱上かな。
飛車角道場としてアイツを持ち上げるようなことはしたくないけど、相手の安藤はこのタイトルマッチにくるまでの十周年記念のトーナメントを全部K.Oできてるから。
それを1R開始早々、K.Oでやっつけたってのは、やっぱりグっときたね。
次回は10月を予定している。これからもどんどん盛り上げていきたいね」
勢いが止まることのない『路地裏喧嘩劇場 飛車角』。次の10年はもう始まっている。
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