ボクシング世界王者・高橋知哉「喧嘩が俺のすべてだった」

【インタビュー】ボクシング世界王者・高橋知哉
「喧嘩が俺のすべてだった」

ーー2021年5月号実話ナックルズ「地下格闘技が殺し合いだったころ」でのエンセン井上氏との対談企画にもご出演頂きましたが、14歳の時に朝鮮部落で「賭け喧嘩」をさせられていたという壮絶な体験をお持ちの高橋さん。はじめてした喧嘩って覚えていますか?

高橋知哉(以下 高) はい、小学校の校庭でタイマン張りました(笑) 実は小学校2年生の時にイジメられていたんです。 仲良しグループ10人から突然に無視され始めたんです。プールの時に靴箱の中に入れる出席カードを隠されたんですよ。友達に聞いてもみんなに無視されてすごくショックでした。それで持っていたライターで他の子の出席カードを燃やして家に帰ったんですよ。

「賭け喧嘩」をしていたという在所と呼ばれる地域にて

ーーライターを持っていたんですか?

高 タバコを吸ってましたね、映画を見てカッコええなと思って。友達と父ちゃんのをくすねて真似して吸っていました。小学校に警察と消防が来て大問題になったんです。その後に無視した10人が僕の家に来て、「お前燃やしたやろ? 何帰っとんねん? 降りてこいや」と言われて「お前らが無視するからやろ」と言い返したんですがすごく怖くなりました。

子供の頃よく遊んでいたという団地

ーーイジメっ子のリーダーが言ったんですか?

高 Rくんていうハサミを投げたりする子で皆んな怖がってました。先生もどう扱っていいか分からないような子でしたね。降りて行かないと何されるか分からない恐怖感で、玄関にあった金属バットで全員シバいたろうと思いきって外に出て振り回したんです。みんな逃げて次の日からも無視が続いて半年位かな? ずっとひとりぼっちでした。親にも相談できずに寂しかったですね。

ーーその子とタイマンを張ったんですね。

高 そうです、Rくんをやっつけたらまた皆んなと仲良くできると思って毎日ポケットに大きな石ころを持ってました。小学校3年の時に靴箱の上履きに押しピンが刺さっていて、後でRくんがニヤニヤしていたんです。その時ちょうど女の先生がいて、僕は泣きながら先生を睨んでたんです。すると先生に「知哉、お前このままでいいんか? 行ってこい!」と言われて、Rくんを追いかけて飛び蹴りしたんです。そのまま2人で校庭の真ん中でもみくちゃになって、馬乗りになった時に無我夢中で殴りました。砂利とか石とかを口の中に入れたりして殴ってました。 男の先生に止められて終わるんですけど。それが最初の喧嘩ですね。相手が気絶したのがちょっと気持ち良かったりして。でも結局周りの友達からは引かれてしまうんですけど。それからRくんとは授業中とかにしょっちゅう喧嘩してました。

ーー喧嘩と格闘技の違いってなんですか?

高 これはよく聞かれます(笑 )喧嘩と格闘技は別物です。喧嘩にはルールがない、ナイフで刺そうが車で轢こうがその場を勝てばいい。もう殺し合いです。何が起こるか分からない。緊張感が違いますし、殺し合いのできない人は格闘技に行く。ルールがありますから、死ぬ確率が少ない。喧嘩はゴングもマットもないですから、死ぬ確率が高い(笑)

「賭け喧嘩」デビューを飾った地下駐車場にて

在所にはサンドバックも転がっていた

ーーナックルズ2021年5月号の対談でも出てきた朝鮮部落というのはどんな場所ですか?

高 こっちの人は在所と言います。僕らの在所は千北の在所といって映画「パッチギ」の舞台になったボウリング場があります。落書きの多い町でしたね。幼馴染の団地に遊びに行ったら、部屋の中にも落書きがあった(笑 )駐車場に赤いBMWのウィンドウガラスが割られてち○この落書きがされていたり、粗大ゴミもよく落ちてましたね。公園に一日中、歯を磨いてるオバちゃんとか電信柱とずっと話しているオバちゃんとかもいました。警察もあまり入ってこない場所で、ややこしい人だらけ(笑)小さい頃は分からなかったけど、友達が在所に入ってこなかったりして外の子とは遊ばなくなってきましたね。子供ながらに変わった場所なんだなって思いました。

ゴミもそこら中に捨てられている

ーーなかなかの経験ですね(笑)。 そんな高橋さんは今、10代からの壮絶な生き様を書いていると伺いました

高 現在『あんぽら 』っていうタイトルでnoteで連載をしています。あんぽらは在所の言葉でクズ、カス、使い物にならんやつ。賭け喧嘩もそうですが、在所で出会った人達ややってきたことがボクシングに出会う前の僕の全てでした。今こうして表のリングで戦えているのも在所での経験があったからです。子供の頃に先輩に悪いことや酷いことをいっぱい教えてもらいました。14歳で悪いことはやめたんですが、喧嘩だけはやめられませんでした。この『あんぽら』は、すごく悩んだり笑ったりして喧嘩ばっかりしてきた僕の青春の話に興味を持ってくれた方が書きためてくれている作品なんです。ぜひ読んで欲しいですね。

リアルファイトスタイルに会場も熱狂する

「男・山根」の最終兵器としても知られる高橋氏

世界三団体統一ヘビー級チャンピオンとして君臨

朝鮮部落での「賭け喧嘩」デビューから、プロボクサーとして世界ヘビー級チャンピオンになるまでの青春ストーリー描いた『あんぽら』はnoteで連載中!
https://note.com/chimokufu/n/n31da0073a31a

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