脅し、すかし、ダマし
大手芸能事務所と週刊誌の間では、連日のように“銃弾の飛ばない戦争”が繰り広げられている。
「スキャンダルを撮ったら事務所に事実確認する。その代わり、発表前に事務所から他社には流すようなことはしないという紳士協定がかつては存在したのだが……強面の芸能事務所の手口は、今も昔も変わりはしませんよ。やつらはスクープを握りつぶすことに執念をかけているから」(週刊誌デスク)
実際の現場では起きるのは、こんなことだ。
「スキャンダルを載せるなら、所属タレントはいっさいグラビアやインタビューはNG」
これはアイドル事務所が得意な手口だ。だが、これなら「まだましな方」(前同)という。裏で記者に金を渡す、女を斡旋するといった禁じ手を使うパターンも実は少なくないらしい。
そして、もっとえぐいやり方も。
「ネタをあてられたら? そりゃ色々対策はありますよ。一番効くのが他のマスコミもそのネタを持っているように装うことですかね。”ああ、それですか。スポーツ紙からも問い合わせがありましたよ”というようにね。そのスキャンダルに価値がないかのように思わせるわけです」(元事務所幹部)
さらには、「握り潰し」をするケースもあるという。
「もしも、一行でも間違ってみろ、そのときは優秀な弁護士が内容証明を送りつけるぞ」
と、人権団体のような脅しをかけと言われるのは、巨大な力を持っていることで知られる大手芸能事務所だ。
週刊誌はこうした事務所との対立があるのだが、同じマスコミでも対応が違う傾向が強いのがスポーツ紙だ。売れ筋のネタである芸能情報を毎日入れるため、揉め事は死活問題。どんな内容でも事務所の許可がいるため、「スキャンダルは通常スルー」が基本だとか。
様々な大人の事情が存在する芸能界。そもそもスキャンダルを潰せるような事務所は、この業界で力を持っている証に違いはないのだが。(伊勢谷正樹)
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