迷走中
ジャニーズ「バーチャルアイドル進出」
業界失笑の深いワケ
ファンが見たいのは
ナマの姿なのに
2月19日、ジャニーズ事務所とライブ配信会社のSHOWROOMの共同記者会見が東京・六本木のニコファーレで行われた。当日、女優・石原さとみとの交際報道で名を売ったSHOWROOMの前田裕二社長はこう豪語した。
「日本に限らず、世界中どこにでも発信できるバーチャルコンテンツの強みを生かし、ジャニーズのコンテンツの可能性を最大化したい」
そしてこの会見のキモとなったのは、関西を中心に活躍するジャニーズジュニアの大人気ユニット『なにわ男子』のメンバー・藤原丈一郎(23)、大橋和也(21)の2人がバーチャルアイドルとなり、連日生配信するというニュースだった。
「2人が毎日決まった時間に、彼らをモチーフとしたバーチャルアイドルの中の人を生で演じて配信するというもの。わかりやすくいえば、アニメ声優のまねごとでしょうか」(会見に参加したスポーツ紙記者)
かつてはあれだけネットを敵視していたジャニーズだが、ジャニー/メリー体制からジュリー/タッキー体制となり、随分と開かれた会社になったようなイメージがある。だが、今回の件に関しては早くも内外から批判が殺到しているという。
「既にジュニアを中心としたYouTubeチャンネルは昨年から始まっている。いまさらなぜSHOWROOMにまで手を出したのか疑問です。しかも、わざわざバーチャルアイドルとは……。ファンたちが観たいのはバーチャルではなく、リアルな彼らの姿に決まっている」(同前)
特に『なにわ男子』ファンの怒りはすさまじいものだという。
「最近は東京での仕事も増えてきて、キンプリに次ぐデビュー候補とも言われて忙しいスケジュールのなか、実写の配信ならまだしも、毎日決まった時間に声だけの仕事をさせる意味がまるでない。なにわファンは誰一人として望んでいない」(ジャニーズライター)
そもそも、このような微妙案件をジャニーズはなぜ引き受けるにいたったのか。
「SHOWROOMのユーザー数の伸びは低迷している。前田社長は秋元康の秘蔵っ子でその縁でAKB関連の生配信が盛んだったが、リピーターばかりで新規ユーザーは増えてこない。そこでジャニーズの手を借りたいと話を持っていったそう」(広告代理店プロデューサー)
しかし、その段階でジャニーズの古めかしいプライドが、この企画をあらぬ方向に進めてしまったという。
「SHOWROOM側は、なにわ男子のメンバーが日替わりで実写生配信する形でとオファーしたようだが、ジャニーズからしたら格下コンテンツのSHOWROOMの言いなりになるわけもなく、『出すメンバーは2人のみでバーチャルアイドルなら』と提案したと聞いています」(同前)
新興企業に対して常に見下したような対応をするのは、昔から殿様商売のジャニーズお家芸だが、さすがに業界内からも疑問の声が。
「ジャニーズ側の案で、ファンが喜ぶ形となるならまだしも、露出をもったいぶったために、逆に批判が殺到している。ジュリー主導なのかタッキーの意図かは判らないが、芸能事務所としてやり方が下手すぎる。もはや失笑ものですよ」(芸能関係者)
「ファンを一番に考える」がモットーだったはずのジャニーズ。狂った歯車は、そうそう元には戻らないのが現実のようだ。(瀬戸ジーニアス)
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