なぜ過ちは繰り返されるのか TV業界ヤラセ事件簿
バレたら終了
日テレの人気番組『世界の果てまでイッテQ』が、番組内で“ヤラセ”を行ったとして問題となっている。
ヤラセが発覚したのは、同番組の人気企画である「世界で一番盛り上がるのは何祭り?」。泥川の上に細い橋を架け、そのうえを自転車で渡る「橋祭り」というものを番組内で紹介したが、これが完全なるでっち上げだったとのこと。
イッテQといえば、イモトアヤコや宮川大輔といったタレントたちが体当たりのロケを行うさまが人気の、言わば“ガチのロケであること”が肝となった番組。同番組は現在も放送が続いてはいるが、「何を見てもヤラセにしか見えない」と見るのを辞めた視聴者も多い。
このようなテレビのヤラセ問題として真っ先に名前が挙がるのが、2013年にあった『ほこ×たて』のヤラセだ。
四字熟語の“矛盾”になぞらえて、各分野のスペシャリストや、トップクラスの製品を競わせる内容の番組。こちらも“ガチ対決であること”が肝の番組であったが、スナイパーVSラジコン対決が編集によってねつ造されたものだと発覚。そのほかにも「ラジコンカーVS鷹」ではラジコンがゆっくり走らされていたことや、「ラジコンカーVS猿」では、猿の首に釣り糸をつなぎ、ラジコンで引っ張っていたことまで発覚し、番組は放送終了となった。
また、『発掘! あるある大事典Ⅱ』のヤラセ問題を思い出す方もいるだろう。
2007年、同番組内ではさまざまなデータを基に「納豆にはダイエット効果がある」と紹介。番組の反響は大きく、全国のスーパーやコンビニから納豆が消える事態にまでなった。しかし、比較写真に被験者とは無関係な人間のものを使用したり、海外の大学教授の発言を意に沿った内容になるようねつ造したり、そもそも存在しないデータを使用したりとやりたい放題だったことが発覚し、番組は放送終了。この問題は世界的な科学誌「ネイチャー」で取り上げ、世界中で議論されるまでになってしまった。
今回のイッテQのヤラセ問題には「テレビなら多少のヤラセは仕方ないのでは…」と同情の声も集まっているものの、一番の問題は、タレントなどが「ヤラセなんてよくある」と擁護していることだろう。
たしかに、メディアにとって、ある程度のヤラセは必要な物かもしれない。しかし、それを暗黙の了解にとどめるのではなく、非難するほうがおかしい、見過ごすべきだと“ヤラセをやる側”の人間たちが語ってしまうのは、果たしていかがなものだろうか。
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