ナックルズ裏流行語大賞【3】『紀州のドンファン』
結婚の条件が「8億円」
人が亡くなっているという意味ではノミネートされた「あおり運転」や「災害級の暑さ」も同様なのだが、ワイドショーで扱われた時間や、週刊誌でとったページ数などのデータをとれば、「紀州のドンファン」こそ、18年の『新語・流行語大賞』の有力候補だったはず。
選考から外れた理由は推して知るべしだが、実際、現在も「紀州のドンファン」こと実業家の野崎幸助さん(享年77歳)の死の真相について、週刊誌報道などが様々に続いている。
野崎さんの存在が世に知れるようになったのは、16年2月のことだった。
当時交際していたという27歳の女性に自宅から6000万円相当の金品を盗まれた「和歌山の資産家」として注目されたのだ。「いい女を抱くために、私は金持ちになった」と豪語し、これまでに4000人の美女に30億円をつぎ込んできたことを堂々と認める野崎さんに、世間は好奇と嘲笑、嫉妬と羨望の眼差しを向けることとなった。
そんな野崎さんが、急性覚せい剤中毒で5月に急死。
2月に結婚したばかりだった、AV出演歴のある55歳下の若妻A子さん、なんとも素性の怪しそうな家政婦の存在。また、野崎さんが全裸で発見されたということ、発見直前にA子さんと家政婦が聞いた「ドドン」という音。野崎さんの死の直前の愛犬が怪死など、まるで2時間サスペンスのように散りばめられた、分かりやすい「謎」の数々が、さらに人々の関心を呼び、週刊誌報道は過熱。ワイドショーでも連日のように取り上げられることとなったのだ。
だが、怪しすぎる登場人物や物証がありながら、まだ死の真相は解明されず。
「野崎さんは生前に覚せい剤を常用していたという気配がなく、その入手ルートさえ不明。何者かに故意に摂取させられた可能性もあるとして、和歌山県警は容疑者不明のまま殺人容疑で関係者らの関係先を家宅捜索するなど、慎重に調べを続けているようですが、進展の様子はほとんど伝わってきません」(一般紙記者)
そんな中、先日、予想外の場所から野崎さんの素顔についての証言がもたらされた。
11月15日放送のテレビ東京の深夜番組『じっくり聞いタロウ~スター近況㊙︎報告~』に、出演したFカップグラドル・桃知レイナ(25)が、「紀州のドンファンからプロポーズされたことがある」と衝撃の暴露を始めたのだ。
「なんでも、とある知人男性に『お茶をするだけでいいから会わせたい人がいる』と六本木の高級ホテルに呼び出され、行ってみると現れたのは、まさしく野崎さんだったとのこと。最初は知人と3人で話していたが、気づけば2人にされていて、野崎さんから、『今日はいくらでヤレるの?』『8億円あげるから結婚して』と言われたとのことでした」(週刊誌記者)
どんな話し合いがなされたかは明かされなかったが、おそらく金銭面での合意があったのだろう。部屋について行った桃知だったが、いきなり「女性器舐めさせて」と言われ、怖くなって「お腹が痛い」と言って部屋を出たということだった。
この話の重要なところは、結婚の条件が「8億円」であったこと。
「若妻A子さんは、事件後の取材の中で、結婚を申し込まれた際に、月100万円を受け取る約束をしたと明かし、『月100万円をお得だと思っていたのだから、私が(殺しを)やるわけないですよ』と世間から向けられる疑惑に答えていました。桃知に8億円でA子さんに月100万円とは、かなりの開きがあり、どうにも不自然。顔もスタイルも、桃知よりもA子さんの方が明らかに優っているように見えるからです。となれば、A子さんにも月の“お手当”とは別に契約金のような形で、相応の大金の提示があったと考えるのが自然で、だとしたらなおさら殺害の理由はなくなります」(同前)
真相解明には、まだ時間がかかりそうだ。(でんぱた豊作)
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