もはや「そだねー」は死語? 流行語大賞で「消える」人たち

もはや「そだねー」は死語? 流行語大賞で「消える」人たち

「そだねージャパン」と呼ばれたカーリング女子日本代表。「もぐもぐタイム」という流行語も生み出した(日本カーリング協会公式ホームページよりより)

いつまで人々の記憶から消えずにいられるか

流行語大賞は“一発屋”?

11月に突入し、2018年も残り2か月を切った。毎年恒例となっているユーキャン主催の「新語・流行語大賞」の候補30語も発表され、いよいよ本格的な年末ムードが漂ってきただろう。
今年、受賞が有力視されている言葉のひとつは「そだねー」。2月に開催された平昌オリンピックで銅メダルを獲得したカーリング女子日本代表が、試合中に発していた掛け声だ。
彼女たちは北海道出身ということで、独特のイントネーションがある「そだねー」は、オリンピックの緊迫した空気のなかにも、いい意味での“ユルさ”をもたらしていた。何気ない日常会話に取り入れやすいことから、マネする者が日本中で続出したことは間違いない。
しかしオリンピック期間が過ぎ去った今、「そだねー」など、誰が口にしているだろうか。そもそもオリンピック自体、本当に今年の出来事だったのかと疑わしくなるほど懐かしいし、カーリングへの関心も、とっくに薄れてしまっている。4年後の冬季オリンピックでは再び脚光を浴びるかもしれないが、なかなか遠い未来の話といえそうだ。
また、新語・流行語大賞はお笑い芸人たちにとって、最後の晴れ舞台となりかねない危険性を秘めている。
2004年には波田陽区の「…残念!!」が、2005年にはレイザーラモンHGの「フォー!!」がそれぞれ大賞のトップテンに入り、2008年にはエド・はるみの「グ~!」が大賞を受賞。名前や言葉を聞けば鮮明に思い出せるネタばかりだろうが、いずれも最大瞬間風速的なブームでしかなかった。彼らは現在、もれなく“あの人は今”状態に陥っている。
今年の候補に挙げられているなかだと、「ひょっこりはん」は受賞に近い位置にいそうだが、そのせいで“一発屋”と呼ばれてしまうことにならないか、今のうちからビクビクしていそうだ。彼がテレビから消える日は、割とすぐに訪れるかもしれない。
一方では「悪質タックル」のように、当事者にとっては極めて不名誉な言葉までノミネートされている。日本大学のアメリカンフットボール部の選手が5月、監督やコーチの指示で相手選手に反則行為をした事件は、大きな社会問題となった。
この選手は自ら顔と名前を晒して潔く記者会見を開き、10月には部活への復帰を果たしたものの、芸人でもあるまいし、これ以上は注目されたくないのではないか。もし「悪質タックル」が流行語大賞を受賞したら、彼はこの世から消えてしまいたいくらい恥ずかしくなりそうだが、結果は果たして…。

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