【大炎上】『タイキョの瞬間』でわかった「フジテレビの断末魔」
あからさまに「宣伝」するワケとは
10月6日にフジテレビ系のゴールデンタイムで放送されたドキュメンタリー特番『タイキョの瞬間〜出て行ってもらいます!』。入国管理局の調査員に60日間密着し、不法就労・不法滞在する外国人を強制退去させる様子を放送するという一見すると“正義の味方”的な番組だが、番組放送後、内容に関してネットを中心に大炎上しているという。
「2020年の東京オリンピックを前に国際的な交流を積極的にし、開かれた日本をアピールしていくべきこの時期に、完全に外国人差別を助長する内容でした。ネットの大炎上はもちろんのこと、テレビ局前でデモを扇動する者まで現れています。『人間を人間として扱わない姿勢の番組を老若男女問わず目にする時間帯に、なぜ全国ネットで2時間も放送したのか』と局内でも今回の編成に疑問の声が多くあがっています」(フジテレビ関係者)
いわゆる“警視庁24時”や“犯罪列島”など、『タイキョ〜』と同じ類の番組は年に何度も放送されているが、なぜこの番組に限って批判を浴びるのか。
「例えば、税金滞納者などの家宅捜査や差し押さえなどは、いわば100%その滞納者に責任があります。実際、脱税で逮捕される者もいるわけですから、犯罪者として扱っても仕方ない。しかし、『タイキョ〜』は入国管理局と外国人がテーマ。外国人労働者の中には、自国の状況ややむをえない事情によりビザの期間を超えて滞在している者もいます。それらを完全に犯罪者扱いし、いかにも害虫を追い払うような態度で接する内容が外国人差別に当たるとなったようです」(別のドキュメント番組ディレクター)
さらに、東京入国管理局の公式ツイッターにも炎上の要因があるという。
「もともと入管に対して批判が多いのは周知の通り。刑務所などと違い、入管収容所の外国人に対する非道さは様々なメディアで問題視されています。にもかかわらず、自らの機関のヤミには一切触れず、『現場で奮闘する管理官を応援して下さい』とのたまっている。番組のテロップにも当然のごとく、管理局の名が出ており、まさに広報番組と化していましたね」(報道記者)
フジテレビと言えば、BPO(放送倫理・番組向上機構)の審議入りの“常連局”。ここ数年の年間平均視聴率では民放テレビ局4位が定位置で、5位のテレビ東京に肉薄されている状況だ。
「実は2017年頃をメドに不振脱出の起爆剤として、現在社屋のあるお台場から、もともとあった新宿区河田町に本社機能を戻す計画がありました。しかし、東京五輪が決定したことにより、湾岸エリアの再々開発が進むことになり、このまま現在地に残した方が“五輪特需”にあやかれると判断し、計画が頓挫したのです。そんなテレビ局が外国人差別をあおる立場を取るなんて、いったい放送倫理とはどこにあるのか、理解に苦しみます」(前出関係者)
まだまだ、収まる様子の無い今回の問題。決着の仕方を失敗すると、フジテレビ自身が日本から“タイキョ”することになるかもしれない。(瀬戸ジーニアス)
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