【業界大物語る】
2021年 大ブレイクする芸人は誰だ⁉
R1撤退を強いられた結果……
「2020年は第七世代が猛威をふるった。21年は更にその下の世代が台頭すると思いきやベテラン中堅層の逆襲が始まるのでは。いままで蓄えてきた鬱積を一気に吐き出すマグマのようなパワーを感じる」
そう語るのは、数々のヒットバラエティーを手掛ける、誰もが知る超売れっ子放送作家A氏。
権威ある立場上『自分の名前はあえて伏せたい』との条件は付いたが、2021年に大ブレイクするであろう芸人について色々と聞いてみた。
まずは直近の各コンテスト王者について。
キングオブコントがジャルジャルでTHEダブリューが吉住、そしてM-1が20年R-1王者の野田クリスタル率いるマジカルラブリーで、この3組のなかで大ブレイク候補はいるのか。
「R-1は規定変更もあるが、王者のブレイク例が少ない大会なので3月に出る新たな王者も期待薄。ジャルジャルは既に一度そこそこ売れているので爆発力はないし、吉住はネタは良いが地味すぎて平場のトークでは跳ねない。そうなるとマジカルラブリーということになるが……」
マジカルラブリーについても今ひとつ歯切れが悪いA氏。
「野田がメインのコンビだが、そもそも野田がR-1王者だったのにほとんど売れてない。いったんミソがついた形なので、それなりにコンビでは売れるでしょうけど昨年のミルクボーイ・ぺこぱのような爆発的ブレイクはない。そうなるとM-1同点2位だった見取り図・おいでやすこがのどちらかだが、各番組の総合演出などの反応を見ていると圧倒的に名前があがるのが、おいでやすこが のおいでやす小田(42)」
『おいでやすこが』と言えば、小田とこがけん(41)のベテランピン芸人同士のユニットだが、2年前からM-1に挑戦し見事2回目で準優勝に輝いた注目株。
「前出通りR-1が大幅規定変更で芸歴11年以上が突然参加資格を失った。普段は関西で活躍していたR-1ファイナリスト常連の小田が、その件で『ワイドナショー』(フジテレビ系)に呼ばれてダウンタウン松本相手に見事なキレ芸トークを披露し注目を集めたのがちょうどM-1決勝の少し前。そしてそのR-1の憂さ晴らしをするかのようにコンビ漫才でも大爆笑をさらい、最後は優勝こそ逃したものの審査員の松本と上沼恵美子から票が入った。その2人から票が入ったとうのはある意味優勝と同じくらいに価値があること」
M-1以降はネタ番組他、各バラエティからユニットとしてオファーが殺到、小田だけのオファーもかなりの数があるという。
「小田のキレ芸は平場で生きるし、数々の番組MCとも相性が良いはず。見た目も窓際族の疲れきったサラリーマンみたいなのが逆に面白い。カンニング竹山・ばいきんぐ小峠と同じようにブレイク後も息の長い売れ方をしそう。21年は『おいでやすこが』、そのなかでも特に『おいでやす小田』が大ブレイクで間違いない」
R-1撤退を強いられて即M-1準優勝で大ブレイク。
まさに “おじさん逆襲のシンデレラストーリー” だが、果たして来年の今頃どうなっているか、期待しておこう。(瀬戸ジーニアス)
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