【薬物汚染】あの咳止めシロップが悪用拡大【また流行】

写真はイメージ

【薬物汚染】
あの咳止めシロップが悪用拡大【また流行】

あの先生の影響で広がった?

4月上旬、東京・吉祥寺駅の男性用トイレに咳止め薬の箱と瓶が大量に散乱しているところを目撃者が撮影して伝え、ネット上を騒然とさせた。画像から見られる箱は30を超える量で、閲覧者からは「麻薬的な使用目的では」との声が飛んだ。
事実、一部の市販薬は、覚醒剤の原料にもなるエフェドリンや、興奮作用をもつカフェインなどが含まれている場合があり、記載の用法を守らず大量の服用することで麻薬に似た覚醒作用を引き起こすことが以前から注意喚起されている。吉祥寺駅で散乱していたのは錠剤であったため、大量に服用するのはかなり大変な作業だが、商品には甘味料が入って飲みやすくなっているシロップを、金のないジャンキーが麻薬代わりに乱用して薬物依存になるケースもある。そのせいか近年、巷で風邪薬や咳止め薬などを大量に売買する者もいる。事法では種別によって薬剤師や販売登録が必要となるから当然、違法行為だが、当局の目を盗んでの取引が後を絶たない。
あるメーカーの咳止めシロップは120ml入りで、成人なら1回10mlの12回分。蓋のカップで飲むが、最近はその用法を守らず一気飲みする者がいて、一部では「あの先生の影響」と言う者もいる。数年前、メディアでも有名な「先生」がツイッターで「咳が止まらない。昭和大学空手部方式で治すぞ」として咳止めシロップを一気飲みしたことを写真付きで投稿。「先生」はそれ以降も同様の投稿をしており、これを見た人々が真似をして、「一気飲み、5本飲んだら多幸感が出てきて合法ドラッグ最高」と書いたこともあった。
著名人が間違った薬物の用法を推奨した影響は大きかったのか、最近はなお悪用が拡大。一部高校生の間では「咳止めシロップ20本で痩せる」とのウソのダイエット話が広まっている。
薬物乱用対策機関の職員によると、「その口実はだいたい売人の手口」だという。
「その昔、日本では覚醒剤の売人が麻薬を『やせ薬』と称して、若い女性に売っていたことがあるんです。それと同じで、シロップや市販薬をダイエットできるからと20箱、30箱という単位で売る人間がいた報告があります。市販薬は一般人でも薬局で手に入りますが、問題は大量入手で、悪い学生があちこちで万引きして転売するというケースもあったんです」
さらに海外から強力な市販薬を個人輸入しての流通も多いという。
「体格の平均値が大きな国で流通している市販薬は、同じ成人用の量でも日本人にはキツすぎるものがあって、そえれを『ドラッグ』と称して売る連中がいます。キャップ1杯が適量なロシア製の風邪薬は、通常の日本人には3分の1ぐらいで十分だったりするのに、30倍に相当する10本飲むようにと売るんです」

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