【池袋暴走事件】
容疑者はマジで「スーパー上級国民」だった
通産省のドンと呼ばれた男
豊島区東池袋で“上級国民”が起こした死亡事故が波紋を広げている。
「事故が起きたのは4月19日のこと。通産省の元キャリア官僚・飯塚幸三氏(87)の車が縁石に接触した後、約150メートルにわたって暴走し、近くに住む松永真菜さん(31)と長女莉子ちゃん(3)が死亡し、10人が重軽傷を負ったのです」(社会部記者)
その後、飯塚氏が通産省の技術系キャリアだったこと、15年には叙勲を授章していることが判明。だが現行犯で逮捕されなかったことに批判が殺到した。
「ネット上では『上級国民は逮捕されないのか!』と大炎上。警視庁としては(飯塚氏が)高齢であること、そして証拠隠滅や逃亡の恐れがないことを理由に逮捕勾留しないという論理だった。ところが、ネット民たちは『元官僚は不逮捕特権があるのか!』と主張し、収拾がつかない事態になった。飯塚氏の息子が安倍晋三首相の元秘書官だったから忖度されたというガセネタがまことしやかにネット上で囁かれていましたし」(週刊誌記者)
警視庁交通部が飯塚氏の自宅マンションを自動車運転処罰法違反容疑で家宅捜索したのは、事故から約3週間後の5月7日のこと。あらためて飯塚氏の“上級国民”ぶりを徹底的に調査してみると、思わぬことが分かった。
飯塚氏は埼玉の名門校・浦和高校(旧制)から東京大学工学部に進学。53年に通産省に入省後は一貫して技術畑を歩んだ。86年、13の研究所と約3千人の研究者を抱える工業技術院長に上り詰めたという。これは技術系キャリアの上がりポスト。退官後は一部上場企業の農具大手に抜擢され、年収2千万円以上をもらい、悠々自適な生活を送っていたという。現在では計量学の権威として名が知られ、通産省OB会会長のほか、名誉職を多数歴任するなど、いわば“通産省技術畑のドン”だった。まさにド級の元エリート官僚だったのだ。
だが、ある捜査関係者は“上級国民”論争に対し、次のように釘を刺す。
「逮捕されないのは当たり前ですよ。今の時代、逮捕要件を満たさなければ絶対に逮捕なんてできない。でも、裁判にかけられれば交通刑務所に行く可能性が高い。そうなれば、ルサンチマンに満ちたネット民も納得するんでしょうけど」
いずれにせよ、飯塚氏は本物の“上級国民”であるは間違いなさそうだ。
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