【襲撃の瞬間】
拳ちゃんの「ハロウィン警察24時」
喧嘩野郎大集合の路地裏
暴動が起きているというハロウィンに、遅れを取るまいとやってきた拳ちゃんです。
あれ? スクランブルは解放されてなく、前日ということもあり交差点ハイタッチ勢もいないんだけど? 仮装した若者たちはセンター街に流れてく。
彼らについてってマックまで来ると見渡す限りの人。仮装したウェイ系のるつぼ。ここが勝手に解放区となってる模様。
とりあえず感想としては例年と比べ仮装が甘い。レベルが低いともいう。てゆーか仮装とは呼べない連中も多い。女も顔ペイントしてるギャルは少ない。
理由はすぐにわかった。
「ねえねえ写真とろっ!」
「えーいいよっ」
こいつらナンパ目的でしかないのだ。やりたがりのイキり大学生に、やられたがってるJDたち。ナンパを邪魔する顔ペイントなどむしろ不要。東京で初めてクラブ来てみました的アトムの客、といった層である。写真をとってはLINE交換、飛び交うブルートゥース。
しかし終電をまわるころになるとそんなピース(でファックな)街の空気が一変する。「ラララライララライライっ」とかそこかしこでコールのドルピーサラウンド。酒が入ってくる、というのもあるがオラついたやつらがマック前にやってきて空気がピリつく。
サイド刈り上げた短髪にクラッチバッグ、ケツに食い込んだピッタピタのアディダスのスキニー。はしゃぐ周囲をよそに細眉の下でガンを飛ばしながら闊歩し、ぶつかってきたミニオンに「ああ? コラっ」と飛び蹴りをかます。
「地元? 深川だよ。なんか行儀悪い奴らがいるみてえだから、やっつけに来た」
いや、治安みだしてるのむしろお前らじゃ……と出かかった言葉を押して忍ぶ覚醒くん。何せ気合入りまくって怖いから。試合前の闘犬のように喧嘩したくてウズウズしてる。15人くらいの集団で、深川と葛西の連合軍だという。
「葛西? じゃあみんなド●●●?」
思わず聞くと、ちょっと気まづそうな表情になって、
「え? あ……どうかな……」
どーやら組織名は言えないらしい。昨今の暴対法事情、それはそうか。10代丸出しな幼い顔も混じっており若い衆と思われる。
と、その時だった。
「パっ……パンパンパンパンっ!」
爆竹の音が鳴り響く。ふりかえるとシャッターをおろしたABCマート前の路上に煙が上がり、その向こうで「ヒャハー!!w」とはしゃぐ輩たち10数名。聞けばこっちは品川から来たトミーズOB。「蒲田じゃねえから! 雪が谷だから俺ら!」とやたらうるさい輩系パリピである。
「てめえらぁ! 行儀悪いことやってんじゃねえぞコラぁ!」
そこにさっそくゴリゴリにオラついて来る葛西の若い衆。
品川vs葛西。
絶対に負けられない漢たちの熱い戦い(なんの遺恨もないやつ)が今始まるーー!
と思いきや、軽く揉み合っただけで話し合いで解決。肩透かしを食らった気分だったが、その後も葛西は調子こいたウェイ系若者(「ウォーウォーウォウォウォっ!」とか日本代表の歌とか歌っちゃう街のゴミ)とちょいちょい揉めるが、ヘビー級vsストロー級みたいなもんで、二、三発どつくだけで向こうがビビって逃げちゃうんで喧嘩にならない。
深夜2時を回ると街はさらに混乱を増し、マック前でスピーカーで音楽を鳴らし踊りまくるブラジル人、ABCマート前ではボイパ(すげー上手い)とフリースタイルが始まって人だかりができ、そっちでもダンス大会(「いつもはTSUTAYA前でやってるんですけど、ハロウィンだからセンター街来てみましたっ」と爽やかな笑顔を向けてくるとてもいい子たち)。小競り合いがそこかしこで起こり、「いろんなとこで揉めちゃってもうわけわかんないよ」と応援できたっぽい若い警官もガチで疲れた表情。
と、そこにホストみたいな連中が乗ったセルシオがセンター街入ってきた。「入ってくんなよ!」と皆がはやしたてて群がり、「ウェーイ!w」と叫びながらハロウィン必殺ボンネット土足のぼりも。でもひっくり返ししない。「ツイッターで晒されんぞ!」と声がかかり手が止まるのだ。
炎上もおそれずに揉めまくってるのは、もちろんこいつらである。
「さっきクソガキにチョーパンかましてやったわ」(葛西)
「テレ朝の腕章つけた奴見なかったスか? 喧嘩止めてただけなのに俺ら勝手に撮られて! 見つけたら殺す」(品川)
こうした行為を前に世間は賛否で割れている、というか否しかないでしょう。それはそうでしょう。でしょうが、ヤンキーたちは卑怯じゃないだけ好感が持てるなと思った拳ちゃんであった。
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