作者へのパワハラ被害報告多数…多くの漫画家が再起不能に?
人気作家にも容赦なし
出版不況が叫ばれて久しい現在、スマホやPCで読めるWebコミックが急速に勢力を伸ばしている。今でこそ大手・中小問わずさまざまな出版社が力を入れている分野ではあるが、その先駆けとして知られるのが、NHN comicoが運営するスマホ向け漫画アプリ「comico」だ。
完全無料、毎日更新、スマホに合わせたタテ読みのフォーマットなど、それまでにない革新的な要素を持った漫画アプリとして2013年にリリースされて以来、スマホネイティブの若年層を中心に高い支持を集めているcomico。アニメ化や実写化を果たした作品も多い、まさに漫画界期待の新星なのだ。
ただ、その高い人気の裏でたびたび問題となっているのが、編集部のブラックすぎる実態なのだという。
例えば、アプリリリース当時から連載されていた「ナルどマ」という作品。アニメ化もされている初期comicoの看板作品だが、その裏で作者と編集部はずっと揉めていたようだ。ファンの間でもなにか揉めているらしいと噂になっていたある時、作者がツイッター上で「編集部が自分の許可していないドラマCDを作成した」と、編集部への怒りを吐露。その後「ナルどマ」は休載を繰り返しながら、“作者の健康上の都合により”連載終了した。本当に健康上の都合だったのか怪しいものだが…。
また、「ナルどマ」と同じく初期からの連載で、アニメ・実写映画化されたcomicoナンバーワン人気作品「ReLIFE」も例外ではなさそうだ。単行本が発売された際、“番外編”と称して単行本サイン会の様子を描いたエッセイ漫画が公開されたのだが、そこに描かれていたのは「サイン会当日に連絡がとれず、サイン会終了後に『おはよう』と連絡してくる担当編集者」の姿だった。エッセイ漫画であるため笑い話のように描かれていたが、あまりの異常さに、笑うに笑えないと戸惑う読者が続出したのだという。
そして多くの読者がcomicoへの不信感を募らせるきっかけとなったのが、2017年に連載していた「陽だまりのありか」作者によるパワハラ告発だ。連載終了後、ツイッター上にて作者が「ストーリーやテーマ、キャラクターの性格まで編集によって無理やり変更させられたこと」「編集の100%望むものでなければ、締切2日前でも全て書き直しさせられたこと」などを暴露。あまりの横暴さに憤慨する声と同時に、
「好きだった作品なのに、編集が作ったストーリーを嫌々描かされていたなんて。もうcomicoが信じられない」
という声も多くあがっていた。
今回紹介した事例はあくまで当人によるSNS上などでの発信であるため、どこまでが本当なのかは分からない。ただ、こうしてcomicoへの怨み言を残し、表舞台から姿を消してしまった作家が多くいるのは事実である。
ちなみに、長らく完全無料を謳っていたcomicoだが、2016年には「作者へちゃんと原稿料を払うため」と、一部有料のシステムにリニューアルしている。しかしこういった内情を見ていると、果たして本当に作者に還元されているのかも怪しいところだ。
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