【警鐘】新型コロナで急増…海外で流行する“フェイクドラッグ詐欺”の実態

【警鐘】新型コロナで急増…海外で流行する“フェイクドラッグ詐欺”の実態

“隠語”を巧みに利用し監視の目を逃れる

世界中が新型コロナウイルスの脅威にさらされる中、その恐怖心につけ込んだ“ニセ薬品”の販売が海外で横行している。

知ってのとおり、新型コロナウイルスの治療法はまだ確立されていない。だが、それにも関わらず「ウイルスの症状をやわらげる」とか「ウイルスを予防する」などと謳い、まったく効果のない薬を売りつけているというのだ。

Union Journal紙の報道によれば、このような詐欺は主に大規模な集団感染が発生した中国や、ヨーロッパの国々で報告されている。3月23日に外出禁止令を出したイギリスでは、eBay上で薬品に関するトラブルの相談件数が倍増したといい、感染者がほぼ全土に拡がっているイタリアでは、3月に入ってからアマゾンで薬品の販売数が前月比5倍にまではね上がったという。

取引されている薬品の中でも人気を集めているのはウミフェノビル、ヒドロキシクロロキン、そしてファビピラビル。いずれも、新型コロナウイルスに効果があったと報じられている抗インフルエンザ薬や、抗マラリア薬である。ファビピラビルは商品名である「アビガン」の方がわかりやすいだろう。しかし、購入者の元へ実際に届けられるのは、まったく関係のない薬品を混ぜ合わせ、パッケージを偽装したものだという。さらには、キロ単位で購入できるようにして値段を釣り上げようとする例も報告されている。

EUと提携し、ネット上であらゆる製品の海賊版を監視しているSmart Protection社が調査したところによると、ニセ薬ブローカーの50%以上はSNS上で活動しており、さらにはアマゾン、eBay、そしてアリババといった大手ECサイトにも紛れ込んでいる。

これらの企業はもちろん対策を講じているものの、ブローカー側も“隠語”を巧みに利用して監視の目を逃れようとしている。それは特定の数列であったり、コロナウイルス(corona virus)のつづりを「korona virus」に変えたものや、「wuhan(武漢) virus」や「corona 19」といったものも使われているという。また、こうしたキーワードの多くはツイッターを利用して拡散されている。

情報の錯綜や医療崩壊、政治不信…社会の不安が増大するとき、詐欺は流行しやすいと言われている。実際、日本でもすでに「注文したはずのマスクが届かない」といった事件が起こっているのだ。人類を裏切り、ウイルス側についたともいえる卑劣な“コロナ詐欺”の手口については、今後も注視していきたい。(ゼロ次郎)

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