ドヤ街・寿町が "ナマポランド"と化した

ノミ屋も壊滅状態

横浜・寿町。
かつては日雇い労働者でごった返していたが今や通りは閑散、目につくのはゴミの山と介護ヘルパーの事務所、それに車イスに乗った老人ばかりだ。現在、寿地区6千5百人ほどの住民のうち、8割以上が生活保護を受給する高齢者である
古びた居酒屋のママが嘆く。
「昔からクズばかりだったけど、同じクズでも昔のクズは必死に働いていたからね。こいつらみんな、福祉様だよ。まあ、そうはいっても、彼らがいなかったらうちらも商売できないんだけどね」
ママが言うように、寿地区の商売の極一部をのぞくすべては生活保護受給者の落とすカネで成り立っている。安食堂、安飲み屋……大金を落とすことはないが、絶対的安定収入があるため計算ができる。
寿町は「ナマポランド」と化したのだ。路上には寝ているホームレスの姿もほとんどない。その理由は、ドヤ街の代名詞・簡易宿泊所を見れば一目瞭然だ。管理人は言う。
「オイラも生活保護だけど、ここの社長が小遣いくれるっていうから、管理人を引き受けたんだ。ラッキーだよ、月に2万にはなるから。内緒だよ、役所には(笑)。うちの場合、部屋は二畳のみ。一日1800円。まあ、相場だね」
路上からホームレスが消えたのは、貧困ビジネスに利用されているからということだ。かつて日雇い労働者だった人も、働かなくても金が入ると言うことでどんどん簡易宿泊所にブチ込まれていく。裏には当然それで儲けている組織がある。
同じドヤ街の東京・山谷や大阪・西成の簡易宿泊所の場合、ここ数年、観光客にも人気だが、寿町に観光客の姿は皆無と言っていい。旅行者が泊まれるシステムもほぼない。完全純粋なる「ナマポ専門住居」。それが寿町の現実だ。

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