ヤクザ相手の裏シノギ「名簿屋やったらこうなった」
優しい顔でもヤクザはヤクザ
「かなり稼げました。ヤクザもお客さん、そういう意識だったんです」
1年ほど前まで名簿屋をやりながら自らもチームを組織して振り込めサギに手を染めていたH氏(40代)はこう語る。
ここ数年、半グレたちの間で「ヤクザ軽視」の風潮が強まっている。シノギの道を塞がれ、経済的に困窮した現役のヤクザが振り込め詐欺のリーダーにアゴで使われていることさえあるというが、ヤクザはヤクザ。H氏もとんでもないしっぺ返しを食らうことになった。
「最初は、ある三次団体の親分に〝若い奴に詐欺のイロハを教えてやってほしい〟と頼まれ、2人預かったんですよ。ただで使っていいというから雑用から掛け子までやらせていたんですが、これがいけなかった」
当初は素直に言うことを聞いていたが、次第に本性を露わにしていく。
「あるとき、掛け子グループの古株に電話のやり取りを注意されたヤクザの一人が、キレた。古株をぼっこぼこにして、事務所もめちゃくちゃに。親分からも〝お前のやり方が悪い〟と詰められ、結局おさめるために最新名簿を渡しました」
このトラブルをきっかけに、要求がエスカレートしたという。
「渡した名簿に電話したが釣れないと脅され、無視していたら拉致されてボコボコにされました。〝看板で稼いだ〟ということで見返りに詐欺部隊も乗っ取られました。最初は優しい顔だったので、調子に乗ってしまったと思ってます。今思えば最初から乗っ取りが目的で、わざと揉め事を起こされたんでしょう」
身ぐるみ剥がされたH氏は詐欺から離れたが、作成した名簿は今も裏社会に出回っている。逮捕の不安に怯える日々だ。
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