住宅街のど真ん中に怪しいネオンが 大阪に「幻のちょんの間」があった

「ナマやで、にいちゃん」

大阪。京阪鉄道の某駅を降りて少し歩くと、すぐに住宅街に入り込む。なんの変哲もない、大阪の町だ。だが、関係者に教えられた目印から路地に入ると、目の前の景色は一変する。けばけばしいネオンが突然現れるのである。
先程までの平凡な風景が嘘のように、誰も知らない異空間に迷い込んだような気分になった。
「大阪に、幻のちょんの間がある」
大阪在住の関係者から聞いたて向かった先にあったのが、このT新地だ。怪しげな光を放つ店は8軒。なるほど幻のちょんの間とは言い得て妙だ。
通りを歩くとすぐに
「お兄ちゃん、ええ娘おるで!」
と呼び込みのオバちゃんから声が掛かかる。置屋の前で足を止め女を品定め。20代前半だと思われる女は、こちらを見てにっこりと微笑む。悪くない。いや、思っていた以上だ。飛田や松島にいてもおかしくないレベルだ。
「ナマやで、兄ちゃん」
一軒の店の呼び込みのおばちゃんが耳元で囁いた。後ろでは女がにこりと笑っている。
料金はどの置屋も同じで30分1万4000円だが、値引き交渉もあり最安値で20分1万円まで割り引いてくれる置屋もあるという。
ここT新地の歴史は、関係者に聞いても
「もと青線(非合法の売春街)やろ」
とのことだったが、店の女から面白い話が聞けた。
「T新地は昔、水運業が盛んだった頃、働き手の憩いの場であったらしいよ。当時は、活気もあり人出も多く近隣の連れ出しスナックも盛況だったみたい。今は、見る影もないけどね」
とはいえ、店舗型風俗の締め付けがメチャクチャ厳しいこのコ時勢、ナマでこの値段なら客は全国から集まってきてもおかしくない。
「そこはもちろん条件がある。ナマはある程度の年増だけで、若い女はゴムありが基本。ただ、常連になるとイケるいう話もある」(前出関係者)
この証言を裏付けるように、店から出るときに
「また来てくれたらもっとサービスするから」
と意味深に女が言った。本当に「イケる」のかもしれない。
大阪では今も5大新地が有名で夜な夜な観光客が集まっている。もちろん各地とも女もプレイもレベルは相当高い。
だがこういった人知れず存在するちょんの間には、有名どころにはない魅力ーーマニュアル通りではない楽しみが存在するのも事実だ。

新地では8軒の店が営業中。駅からほど近い場所にある

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